昭和が好きだ。働くクルマが好きだ。愛車は26人乗りの小型マイクロバス ローザ
三菱ふそうトラック・バス株式会社の国内販売・カスタマーサービス本部に勤務する「小椋さん」の愛車は、1984年式の26人乗り小型マイクロバスのローザ。
おおよそ2年半くらいかけてレストアし、現在は家族を連れてレジャーに、気分転換がてらフラッとドライブに、そして、これからは 復興支援ボランティアの相棒として使っていきたいということです。
今回は 小椋さん×ローザ の お話をお届けします。
―――なぜ、1984年式のマイクロバスを愛車として迎え入れようと思ったのですか?
東日本大震災でボランティアをさせて頂いた時に、被災地へボランティアに向かう人を送迎するバスドライバーをしていたんです。その際に、大人数乗れるバスにすごく需要を感じたので、愛車として迎え入れたいと思いました。
いざという時に使えるし、家族のためにキャンピングカーとしても使える。なおかつ、僕は“働くクルマ”が大好きなので、これは良いぞ!といった感じです(笑)。
―――私も、働くクルマは大好きです。
いいですよねぇ〜。青春時代は働くクルマにどうしても乗りたくて、4tトラックをレンタカーで借りて、夜な夜な高速道路を乗り回したり、道の駅に立ち寄ったりしていましたね。
ちなみに、深夜のPAってトラック運転手の方で混み合うんですけど、この方々が日本の物流を支えてくれているんだと感銘を受けて、トラックに関わる仕事がしたいと思い弊社に就職したんですよ。誰かのために働く姿って、すごくカッコいいじゃないですか。
―――なるほど。バスに乗りたいと思ったのも、“被災地へボランティアに向かう”という働く姿に影響を受けていらっしゃいますものね。でも、なぜわざわざ生産年数の経っているバスを選んだのですか?
昭和の匂いが好きだからです。
―――いわゆる……、エモいってやつですか?
そうそう!昭和の物に興味を持ち始めたのは小学生の時でした。当時、西東京市に住んでいたんですけど、近所に粗大ゴミが不法投棄されている場所がありましてね。見たことがないような昭和の家電が山積みにされていて、僕にとっては宝の山でしたね。
昭和の物にハマったのは、中学生の時に1972年製のソニーのラジカセと出会ったのがきっかけでした。型番はCF-1500で、やたらスイッチが多くて、シンプルで角ばったデザイン。機能的には外部マイクが使えたり、外部入力があったり、見ているとすごく興味を引かれる家電だったんです。
―――今はもう見かけない光景ですが、私も小学生の頃にはそういうスポットありましたね
父の仕事の都合で海外に住んでいたので、リアルタイムで使ったことのない家電だらけで、どういうものなんだろう?と調べたり考えるのも楽しかったんですよ。
あとは、最新の家電と比べると機能的に物足りないけど、今のものにない存在感があるのも面白かったんです。例えば、カタログを開くと、“うちのメーカーは〇〇という機能が付いてます”ということが6ページくらい書いてあって、メーカー魂というか設計者の熱意というか……。
物もよく売れた時代だったし、勢いを感じることが出来たんですよね。まぁ、そんな感じで昭和の製品が好きになり、昭和時代に活躍したバスに憧れを抱くようになりました。
―――実際に愛車として迎え入れてどうですか?
どこか懐かしさを感じるデザインや、操作するたびにプシューという排気ブレーキ、発進加速時の独特なミッションの唸り音など、新車で登場して普通に走っていた頃、こんなふうにお客さんを乗せて働いていたのかな?と想像しながら運転するのが至福の時です。
だからこそ、その世界観を壊さないために時計やラジオなど使えるものは修理してそのまま使い、死角を減らすために後付けしたバックカメラのモニターは、ブラウン管式の年代物を取り付けました。
―――小椋さんのこだわりポイントですね♪
そうですね。先ほどもお話したんですけど、最新の機能が搭載されているということは、利便性や安全性などが向上するということなので、素晴らしいことなんですよ。だけどその一方で、最新にこだわらない“不便さ”が楽しい時も僕はあると思うんです。
このクルマはね、ターボ付きの設定がなかったので、現行モデルの約半分の95馬力しかないんです。長野のビーナスラインの急坂を登った時は全然スピードが出なかったけど、それも良いかと思える“魅力”があったりするんです(笑)。
なにより、このローザをレストアするにあたって色々な人に出会い、家族が背中を押してくれ、所有することで幸せに出会うことが出来ました。
―――今後は、ローザとどんなカーライフを送りたいですか?
こんなクルマがあったんだよ〜ということを知ってもらうために、イベントに積極的に参加していきたいです。あとは、当初の希望通り被災地でのボランティアのために使っていきたいと思います。
そう話してくれた小椋さん。愛車となったローザはこれからも、働くクルマとして人々の記憶に残っていくことでしょう。
(文:矢田部明子)
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