今年、メモリアルイヤーを迎える国産名車たち~40周年編(2)
日本で自動車が大衆化した1960年代からおよそ50年が経過した現在、毎年多くの名車が生み出され続けています。中には惜しまれつつ車名が消滅してしまったモデルから、現在でも現行モデルがリリースされているモデルまでさまざまですが、前回に続き、2018年にメモリアルイヤーを迎える国産車を一挙にご紹介いたしましょう。
日産・パルサー
日産初の前輪駆動車として1970年にデビューしたチェリーの後継車種として1978年に登場したのがパルサーです。先代のチェリーが欧州市場でも販売されていたこともあり、「パルサー・ヨーロッパ」というコピーと共に、カタログにはフォルクスワーゲン・ゴルフやルノー・サンクなどライバル車種となる欧州コンパクトが登場していたのも印象的でした。
ボディタイプは4ドアセダン1種でスタートし、追って3ドアハッチバックと2ドアクーペが追加。79年には5ドアハッチバックが追加され、より実用性がアップしています。
チェリー時代から存在していたスポーティグレードは継続設定され、ワンメイクレースが開催されたり、ラリーに参戦したりと代を重ねてもスポーティなイメージを持ち続けていたパルサーですが、95年に登場した5代目モデルを最後に生産を終了。日本でのパルサーの名前は途切れることになりました。しかし、欧州市場などではパルサーの名前が復活しており、現在でも現役となっています。
トヨタ・ターセル/コルサ
今でこそコンパクトカー=前輪駆動という図式に何の疑問もありませんが、70年代前半はまだまだ前輪駆動は発展途上であり、車両クラスに関わらず後輪駆動の車両が一般的でした。70年代後半になると徐々に多くのメーカーで前輪駆動の車両が登場し始め、トヨタも1978年に登場したターセル/コルサを初の前輪駆動車として発売するに至っています。
しかし、まだ煮詰まっていない前輪駆動方式を採用するにあたって、トヨタはギアのフィーリングが自然で、オートマチックトランスミッションの搭載が容易であるということを理由にエンジンの搭載方法を縦置きのまま前輪駆動を採用するという形を取ったのです。
結局、今では一般的なエンジン横置きレイアウトの前輪駆動は1982年に登場したFFカムリが初であり、ターセル/コルサは86年に登場した3代目モデルまで待つことになります。
ターセル/コルサは82年に2代目へとフルモデルチェンジを果たし、そこにカローラIIを加えた3兄弟体制となり、99年に5代目(カローラIIは4代目)モデルが終了するまで生産が続けられ、ヴィッツに後を託して終了しました。
ホンダ・プレリュード
今ではすっかり絶滅してしまったジャンルと言っても過言ではない「スペシャリティカー」というジャンル。本格的なスポーツカーではないものの、スタイリッシュな2ドアクーペのボディを持ったもので、あのシルビアも元々はスペシャリティカーとして登場したものでした。
そんなスペシャリティカーを語る上で外せないホンダ・プレリュードも1978年に登場した今年で40周年を迎えるモデルのひとつ。初代モデルは日本車初の電動サンルーフを一部グレードで標準装着したほか、輸入高級車などで採用されているコノリーレザー張りの本革内装をオプションで用意するなど、まさにスペシャリティカーといった装いでした。
82年に登場した2代目モデルは「デートカー」というジャンルを築くほどの大ヒット車種となり、前述のシルビアを含め、多くのフォロワーを生み出した車種となりましたが、代を重ねるごとにスペシャリティカーという需要自体が減少し、5代目モデルをもって2000年にその歴史に幕を閉じています。
次回は2018年に30周年を迎えるクルマたちをご紹介します。
(文・小鮒康一 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]