新車装着の「OEタイヤ」と「市販のタイヤ」に違いはあるの?
乗り心地が優れていたり、グリップ性能が優れていたり、ウェット性能が優れていたりと、銘柄によってさまざまな特徴があるタイヤ。
当然、新車時にはその車両の性格や特性に合った“専用品”が装着されていて、これをOEタイヤ(=オリジナルエクイップメント)と呼びます。
そこで、このOEタイヤについて、ブリヂストンで技術スポークスパーソンを務める川本伸司さんに聞いてみました。
OEタイヤは車両に合わせた専用設計!
タイヤに求められる性能は、グリップ力や乗り心地、静粛性など多岐にわたります。OEタイヤとアフターマーケット品では、何がどのように違うのでしょうか?
「OEタイヤは、自動車メーカーが新型車を開発するにあたり、『こういったクルマを目指す』という目標に沿って開発します。
対して、リプレイスの略で『REPタイヤ』と呼ばれるアフターマーケット品は、タイヤメーカーで商品企画を行い、そのブランドに特化した性能を実現するように開発します。
弊社で例えるならば『ポテンザ』ならスポーツ性能、『レグノ』なら乗り心地や静粛性を重視して開発するようなイメージです」(川本さん)
OEタイヤとREPタイヤは、そもそも求める性能や製品特性の出発点が異なるというわけですね。では、OEタイヤはどのようにして開発されているのでしょうか?
「OEタイヤは、開発目標を自動車メーカーと合同で設定します。そして、既存の販売車両や自動車メーカーの試作車を使って開発評価を行い、最終的に自動車メーカーが性能判断を行います。そのため、開発時に解決すべき課題が明確で、なおかつ総合的に高い性能が求められるのです」(川本さん)
タイヤ単体を開発するというより、タイヤも含めて新車開発を一緒に行っているようなイメージだといえそうですね。
「タイヤだけでなく、クルマ全体で設定した目標に向かって開発するので、開発時に達成しないポイントがあるときには、タイヤで解決することもあればサスペンションやホイールといった別のパーツで解決することもあります。OEタイヤは『そのモデル専用に開発されたパーツ』とも言えますね」(川本さん)
ブランドごとに特化した性能を実現するREPタイヤ
OEタイヤと違って、タイヤメーカーがすべてを担当するREPタイヤは、どのように開発されているでしょうか?
「REPタイヤはタイヤメーカーが開発目標を決め、既存の車両で開発評価を行い、最終仕様を決定します。先に述べたように、その車両の性格や特性に合ったOEタイヤとは違い、ブランドごとに特化した性能を実現したタイヤとなります」(川本さん)
REPタイヤとOEタイヤそれぞれの開発は一見すると関係ないように見えてしまいますが、OEタイヤを開発することにより、REPタイヤにも相互作用があるそうです。
「OEタイヤの開発現場では、限られた期間で自動車メーカーの要求に応えるための技術的な挑戦が多く、そこで得たノウハウはREPタイヤにも生かされます。逆に、REPタイヤのブランドごとにより特徴あるタイヤの開発で得たノウハウがOEタイヤに生かされることもあります。
また、OEタイヤとしてさまざまなメーカーや車種に採用されることで、ブランド力が向上し、REPタイヤの市場での競争力が向上します。OEタイヤもREPタイヤも、どちらもタイヤメーカーにとって重要なのです」(川本さん)
OEタイヤはあとから買えるの?
車両の性格や特性に合わせて開発しているというOEタイヤの特徴を聞くと、次にタイヤ交換をするときもOEタイヤを選びたくなります。OEタイヤをあとから買うことはできますか?
「OEタイヤは、自動車メーカーのディーラー等で購入することができます。弊社が運営するタイヤ専門店であるタイヤ館やコクピットでも購入できますが、基本的に取り寄せとなるため、REPタイヤと比べると装着までに時間を有する場合があります」(川本さん)
新車時に装着されているOEタイヤは、その車両の特性や性能に合わせてチューニングされた専用設計。タイヤ交換時に、あえてOEタイヤとは違う銘柄を選んでみるのもひとつの手ですが、その車両本来の性能を発揮したいのであれば、OEタイヤを選んでみては?
新車時のあの乗り味を取り戻せるかもしれませんよ!
(取材・文:西川昇吾/写真:株式会社ブリヂストン/編集:木谷宗義 type-e+ノオト)
[GAZOO編集部]
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