シーズンイン! ~スーパーフォーミュラ開幕戦!~
実力伯仲のなか、そこから飛び出すのが大変だなあと思うほど、トップドライバーが揃っているこのカテゴリー。とうとうシーズンインしました。始まる前は、わたしは仕事の事を考えるとドキドキし過ぎて、緊張。バカですねえ、自分が走る訳でもないのに。今年もそうで緊張からのいつもの場所でした…。では、振り返ります。
SFファンならもうご存じだと思いますが、結果から申し上げますと、表彰台Honda勢独占の圧勝でした。#PowerdbyHondaのF1のハッシュタグを思い出しましたが、勢いありますね。
見事なレース運び、オフシーズンからみなさんほんと速かったですが、そのままの開幕戦でした。トヨタ勢は、もちろん全力で頑張りましたが、表彰台には上がれず。4位の平川亮選手が最上位。ドライバーさんたちの元気のない姿を見かけましたが、これもレースです。
おめでとうとがんばれが混在するのは、いつものこと。そう思いながらも声をかけるのは少し酷でした。
のじりん(ホンダ野尻智紀選手)優勝おめでとうございます。速さだけではなく、強いレースでしたね。今季のレーシングスーツ、楽しみにしていました。マシンに施された感謝の言葉は、オフテストで確認済。スーツは、背中にも文字が入っているんです。
見るたびに読み上げてしまいますが、たくさんの勇気を背負って走っていますね、小柄だけど、芯の通ったドライバーさんで常に言葉のチカラが強い、圧を感じます(いい意味だからね)。
今回は、チェッカー後のテレビ中継で、言うのを少し躊躇しながらも、ブルーフラッグのことについてコメントしていました。
後方から速いクルマが来た際に振られる旗です。周回遅れになるクルマは譲ってくださいねという意味になるのです。今回は機能していなかったようですね。解決すると良いですね。周回遅れのクルマが、蓋をしてしまってはレースが台なしになってしまいますからね。
上の写真のバトルは釘付けになりました。野尻選手をホンダ大湯都史樹選手がパスして一時トップに立ちました。大湯選手は、2シーズン目。
若手がにょきにょき伸び盛りで、昨年優勝もしています、レースが白熱します。彼のほんわかしたムードから想像できない闘志むき出しのバトル。かっこいいわ。
彼のYouTubeを拝見しました。2位をかなり悔しがっていましたが、一度前に出たらそうですよね、悔しいよね。先輩“のじりん”めちゃめちゃ冷静でしたし、大湯も速いし…ってね。道産子ドライバー、今季も楽しみ。
スーパ-GTで野尻選手のチームメイトのホンダ福住仁嶺選手。大湯選手とバトルをしていた福住選手(オーバーテイクボタンの押し方が気になりましたので、下に書きました)。
ご結婚おめでとうございます。新婚さんの仁嶺くん、話し方もソフトで、今のコ(この言い方が古い)は、おしゃれで300キロのバトルをしているムードがなく、何やら草食系(これも古い)の懐っこいドライバーさんですが、キャリアはご存じ海外帰りのドライバーさんバリバリです。
そうそう笹原右京選手!右京くんも若手みんな同世代でカートを戦っていた僚友でもあるので、ホンダさん家、若さのかたまりが大暴れです(笑)。表現方法が見つからない。
ディフェンディングチャンピオンのホンダ山本尚貴選手は、常にべテランの風格。
今回も決勝の追い上げが素晴らしかったです。アンダーカットに成功しましたが、そのあともスピードに乗ってがつがつ前に行く姿は惚れ惚れしました。ピットのミスも何のその。信頼関係が深まる日は近いでしょう。
四方が見えていて、言葉もしっかり考えて発言されるところも好きですね。野尻選手もこちら側かな。二人の先輩を後輩が追いかける。同メーカー内での戦いも熾烈で楽しみな今季です。
ルーキーの大津弘樹くんも良い環境にあって頑張ってますし、タチアナ・カルデロン選手は唯一の女性ドライバーで2シーズン目。予選でQ2へ進出しましたよ。今季の進化が楽しみです。
トヨタ勢では、大注目の平川亮選手。今季もタイトル争いにからむのは間違いないでしょう。
テストから上位の常連でしたが、今回予選Q3で上位に行けず。マシントラブルという事だったそうで、少し残念でした。
トヨタ勢に関しては、TGRのコラムでもたくさん書きましたのでそちらもどうぞ。今回はホンダさんばかりだ(汗)。
最終コーナーを立ち上がりここから一気にホームストレートを駆け抜けます!ということで、ここで勝手にトップスピードランキング!決勝のトップスピードを比較してみました。
スーパーフォーミュラ公式ホームページに、「LiveTiming」というスマホの無料アプリがあるのですが高性能。リザルトだけではなく、さまざまデータが見られますよ。ぜひご覧になって欲しいのですが、そこに「速度」という欄があります。
これを見てみましょう。いつもひとりで眺めいるのですが、せっかくですからシェア。
▽勝手にトップスピードランキング!
RaceLive for SuperFormula
▽ランキング
- 1 位
- 318.58km/h 中山雄一選手
- 2 位
- 316.71km/h 山本尚貴選手 笹原右京選手
- 3 位
- 313.95km/h 福住仁嶺選手 阪口晴南選手
- 4 位
- 313.04km/h 宮田莉朋選手
- 5 位
- 312.13km/h 野尻智紀選手
- 6 位
- 311.23km/h 大湯都史樹選手
- 7 位
- 310.34km/h 山下健太選手
- 8 位
- 309.45km/h 中嶋一貴選手
- 9 位
- 308.57km/h タチアナ・カルデロン選手
- 10位
- 307.69km/h 関口雄飛選手
トヨタ中山雄一選手がトップスピードランキング1位!おめでとうございます。決勝は、レスダウンフォースにより得られるトップスピードで、みなさんの前を駆け抜け1コーナーでかっこよく前に出たいですよね(わかったふう)。ルーキーの二人もトップスピードランキング上位にきてますね。阪口晴南選手と宮田莉朋選手は、レースの方も初戦でポイントゲットですよ。
もちろんトップスピードだけでもダメだしですが、こういうのを見るとセッティング考えるエンジニアたちはすごいね。そして、コーナリングスピードも稼いで…と、おもしろそう。さっぱりわからんけどね。スピード見ただけで少し楽しい。
それと、ボタンを押すと200秒の間パワーがアップするオーバーテイクシステム。石浦宏明選手、いやアドバイザーが場内解説をしておりましたが、レースを見ていると富士だとオーバーテイクのポイントが2パターンありますね。今更ながらですがご紹介。
オーバーテイクポイント
① 1コーナーからコカ・コーラまで
オーバーテイクシステムのボタンを押し1コーナーに並走して入っていき、コカ・コーラまで押したままのパターン。石浦選手いわく、よくあるのがもったいないからいったんスイッチを切ってしまうパターン。今回見ていたら福住選手が一度オーバーテイクボタンを押すのを途中でやめました。並走して1コーナーに入りボタンを切ることでコカ・コーラまでは効かなくなるけれど、コカ・コーラコーナーまでに前に出るというパターンもあるそうです。
② ダンロップコーナーまで
ダンロップコーナーのイン側をブロックされても諦めずに外から並んで抜いていくパターン。GTを含めて成功するパターンが多いとのこと。確かに…。
オーバーテイクシステムがないと、本当に抜くのが難しいそうです。確かに以前このカテゴリーは、申し訳ないけれど単調なレース運びになることもありましたね。レースをおもしろい展開にするために取り入れたオーバーテイクボタンは、とても有効でレースをとてもおもしろいものにしているのは間違いないです。
ドイツのDTM(ドイツツーリングカー選手権)では、DRS(ドラッグ・リダクション・システム)と、燃料流量リストリクターを使ったプッシュ・トゥ・パスでレース展開をおもしろくしています。ありなんだなと、今回のオーバーテイクシステムの戦いを見てあらためて思いました。いいじゃない、少しゲームっぽくてね。
高度な技術の中に、少し見た目におもしろさを加えたこのカテゴリー。今季も始まりましたが、ホンダ勢手強い。そんなスタートを切った開幕戦でした。サッシャ・フェネストラズ選手はいつ参戦できるかな…(ビザ待ち)。では!
(写真:折原弘之 大谷幸子、テキスト:大谷幸子)
折原弘之
F1からさまざまなカテゴリーのモータースポーツ、その他にもあらゆるジャンルで活躍中のフォトグラファー。
作品は、こちらのウェブで公開中。
http://www.hiroyukiorihara.com/
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
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