今シーズンもありがとうございました! ~2021 SUPER GT最終戦~
親子の写真、レアですね。最終戦を独自目線で振り返り。辛かったなぁいろいろ。フォトレポートでお送りします。
星野一樹選手
カウントダウンしちゃってました、残りのレースを…。今季、シーズン途中で引退宣言をされたGT300クラス、10号車GAINER TANAX with IMPUL GT-Rを駆る星野一樹選手。日産の雄としてGT500クラスも経験した大ベテランです。今さらながら、お父様は闘将レジェンドドライバーの星野一義さん。お父様に似て一樹選手も熱いですよね。
自ら引退と言えるドライバーさんはうらやましいとある現役ドライバーさんがおっしゃっていました。あれ?前に書いたかな?この業界、翌年のシートがなくなって現役から退くパターンがほとんどだからとのこと。どの業界もプロの世界は厳しいです。フリーランスのわたくしも仕事がなくなればそっと去る。同じでしょうかね。
長きに渡り、その元気な姿をサーキットで拝見して来ました。ねえさんと声かけてくださることもあり、気軽にお話できてとても光栄でした。引退は非常にさみしいですが、お父様が率いるチームインパルのマネージメントなどをされるということで、家業(この言い方で良い?)を継ぐ準備でしょうか?ファンのみなさまは、また、サーキットでお顔を拝見できると思います、今季はコロナ過で少し彼まで遠かったですけどね。
最終戦ではフライトパフォーマンスの前に、中嶋一貴選手が運転手を務めるLEXUS LCコンバーチブルに乗り込み、場内へご挨拶。ダブルかずきで〆ていました。この時、中嶋選手も引退なんだけどなあと、心の中で思っていました。
まずはお疲れさまでした!次のフィールドでのご活躍をお祈りいたします。
タイトルを獲得したけど移籍
この一枚目の36号車au TOM'S GR Supraのサインボードご覧ください、1しかないね。今季初優勝からタイトルですので、シンプルに驚きとうれしさいっぱいでこうなったのでしょう! 大逆転の勝利でした。大騒ぎだったので、サインボードには気づかなかったです…。すでに12月6日(月)にTOYOTA GAZOO Racingの体制発表がありましたので、本当に思い出の一枚となりました。
ドライバーチャンピオンを獲得したお二人ですが、坪井翔選手は残留。関口雄飛選手は、来季ゼッケン1をつけないまま39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraに移籍という発表がありました。これ、シンプルに最終戦前に決まっていたんだと思います(妄想)。来季のドライバーさんを決める時期は、もう少し早いはず、これも妄想(笑)。
メーカー側の意向で底上げ、戦力強化という事情で移籍とのこと。ヘイキ・コバライネン選手の離脱もありますしね。体制発表の際、豊田章男トヨタ自動車社長のモリゾウさんは優勝請負人と表現していました。雄飛は、最終戦は優勝のみが目標であったとのことで、あのポイント差を逆転できたのはミラクルですので、貪欲に勝ちに行った、そこにタイトルが来た。移籍交渉は済んでいて、物ごとはそのまま進んだ…じゃないかな?
きっと移籍どうする?と考えた方はいるんじゃないかと。私だったらドライバーに意思を聞くと思います(妄想オンパレード)。自身で勝ち取ったことには違いないので。ただ移籍する先の脇阪寿一監督とは、過去にコンビを組んだ仲。リスペクトしていますしね。きっと残留という選択肢はもうなかったのかも。だから名門チームを立て直し、ゼッケン1を取り戻してくださいな(悪口じゃないよ)。新天地での中山雄一選手とのご活躍、楽しみにしております!今シーズンもお疲れさまでした!
切ない結末
切ないはもう1号車STANLEY NSX-GTと8号車 ARTA NSX-GT! 決勝時は、メディアセンターから下のHonda陣営のピット作業を見ておりました。同時にピットインでしたね。1号車は完璧な作業でピットアウト。8号車に目をやると、右のドアをつけていました。実況はドアが外れている?と。このまさかのトラブルにもう残念しかなく。後半、野尻智紀選手が猛追しましたが、届きませんでした。勢いに乗っていたので2連勝のあと、行っちゃう?という逆転タイトルの可能性はここにはあったのかも。
SUPER GTのタイトルは難しいとは言え、ランキング2位でシーズンを終了。課題も見えたと思います。速い2人でタイトルを獲る日は近いかも? なかなか切ないことも多かった今シーズンでしたが、まずはお疲れさまでした!頑張ってね!
そして、1号車です。搬入日に練習を入念にやっていました。
ドライバーさんたちがお帰りになったあとも、メカさんたち遅くまで練習をしていたんです。予選も2番手と連覇は誰もが疑わないムード、盤石でした。
地上波でオンエアされているテレビ東京系列のSUPER GTプラスの放映を視聴しました。無線のシーン…。GT300クラスのタイトル争いのクルマ61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTと55号車 ARTA NSX GT3の2台が競り合っていました。同じくホームストレートにいた山本尚貴選手に、この2台に気をつけるよう無線が飛んでいました。
車速が違いますので、1号車はホームストレートでこの2台を抜き去っています。その後方で60号車のスリップに入って前に出た55号車が止まり切れず?勢いのまま1号車にヒットしてしまいました。信じられない光景でしたね。あれは山本選手避けられないね。
山本選手はすぐにチームに無線で謝っていました。否はないと思うけれど…。クルマは修復が必要でしたので、手負いのクルマをピットへ急がせますが、タイトル争いから脱落という切ないシーン…。
相棒の牧野任祐選手は崩れ落ち立っていられません…。あぁ、タダスケ…。これも上から見ていました。戻ってきたクルマを直視できず、振り向きませんでしたね。ピットへ戻ったクルマから、山本選手はもちろん降りずにコース復帰を待ちます。メカニックも黙々と作業をしたとのこと。この時間は胸が張り裂けそうだったに違いありません。
このような状況だったのに、悔しい気持ちを表には見せず、チェッカーを受けランキング3位となった山本選手は表彰台で笑顔でした。ますます切なかった。
チェッカー後のピットロードでは、55号車の首脳陣とドライバーさんが、1号車の高橋国光監督、そうです神に謝罪をしていました。これはもうね、言葉がなかったね。このようなことは確かにあります。レースあるあるですが、タイトル争いに絡んでいたクルマだったことで、さらに…。タイトル関係ないクルマだったら良いのかという揚げ足は取らないでね。本当に両者にとってつらい結末となりました。
インターネットは荒れていました。山本選手のSNSを見てほしいのですが(割愛します)、彼の言葉は素晴らしかったです。経験値が言わせる言葉。若いドライバーの芽を摘まないでほしい事、再発はしてほしくない事、同じメーカーのドライバーですからみんなで育てていくということをつづていました。
これまでで一番、室屋義秀選手の「“Challenge for the future” Yoshi MUROYA × LEXUS Special Flight@ FUJI SPEEDWAY」、フライトパフォーマンスが刺さりました。コロナ過も2シーズン目。昨年も飛んでくださり、世界がもう元に戻ることもないのかなとふさぎ込みたくなる昨今でしたが、少し明るい兆しが見えた世の中で、笑顔も少し増えたかもしれませんね。
モータースポーツの火を絶やさないよう頑張る関係者や取り巻くファンを勇気づけようというフライトは、冬場れの青空にたくさんの想いを描いてくださいました。スマホを片手にムービーを撮ったりしましたが、あとどれくらいこのフライトが見られるのかなと思いながら、じっくり室屋さんを追い続けました。ありがとう室屋さん!
まだ自分の中にはありますが、長くなりましたのでこの辺でおしまい。いろんな思いの詰まった最終戦は、昨年に引き続きココロを揺さぶる、揺さぶりすぎる結末でシーズンの幕を閉じました。ますます好きになるのよね、モータースポーツが!では、また!
(写真 折原弘之 大谷幸子、テキスト 大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
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