サウジアラビアを走るクロスカントリーラリーバハの最終戦「Baja Hail TOYOTA」から世界一過酷なラリー「ダカールラリー 2021」の魅力を先取り!
2021年1月3日からサウジアラビアで開催されるダカールラリーを目前に控え、FIAワールドカップクロスカントリーラリーバハの最終戦「Baja Hail TOYOTA」が開催されました。クロスカントリーラリーに比べ、クロスカントリーバハは日数が短めで、比較的フラットな砂漠やダートをハイアベレージで疾走していきます。
今回はBaja HailⅠが12月10日~12日、Baja HailⅡが12月14日~16日と間に1日の休息日を挟んで2戦を連続して開催となりました。ダカールラリーのように難解なナビゲーションも必要ないのですが、ダカールラリーと同じサウジアラビアを走れるとあって、トップチームが多く参戦しました。
Ⅰはトヨタ・ハイラックス、ⅡはMINIのバギーが優勝
ⅠはSS1が251.81km、SS2が275.54km、ⅡはSS1が311.57km、SS2が180.29kmと4日間かけて開催されましたが、ダカールラリーであれば2日間で走るくらいのスケジュールです。だから選手とマシンであれば、この4日間を半分の2日で走れるので、ダカールラリーのシェイクダウンに恰好のイベントです。
Ⅰはトヨタ・ハイラックスに乗るナサール・アルアティア/マシュー・ボウメル組(TOYOTA GAZOO Racing)が優勝し、2位はカルロス・サインツ/ルーカス・クルツ組(X-Raid Mini JCW Team)、3位はステファン・ペテランセル/エダード・ブランジェ組(X-Raid Mini JCW Team)でしたが、4位から10位をみると、トヨタ・ハイラックスが3台、MINIが2台。
Ⅱは優勝がカルロス・サインツ/ルーカス・クルツ組、2位はナサール・アルアティア/マシュー・ボウメル組、ステファン・ペテランセル/エダード・ブランジェ組で4位から10位をみるとトヨタ・ハイラックスが4台、MINIが2台でした。
次回のダカールラリーではこの上位3台による総合優勝争いがおもしろくなってくると思いますが、Ⅰ、Ⅱともに4位だった地元サウジアラビアのヤジード・アルラジ選手が、地元の利を活かしそこに分け入ってくると思います。
今回もプレス仲間のフォトグラファーであるマリアン・チカさんが撮影しているので、ダカールラリーへ、みなさんも気分を高めていただくためにもサウジアラビアを走る光景を紹介します。
バーレーン・レイド・エクストリームのマシンの全貌が明らかに
前回お伝えしましたWRCのレジェンド、セバスチャン・ローブ選手とダカールレジェンドドライバーのナニ・ロマ選手がドライブするバーレーン・レイド・エクストリーム(Bahrain Raid Xtreme/BRX)のマシンとチーム体制が発表されました。前回、車両重量1850kgで3.5リッターV6ツインターボ(公称400PS・700Nm)を搭載したバギーで参戦するとお伝えしましたが、駆動方式がMINIのバギーのようなRRではなくトヨタ・ハイラックスと同じ4WDであることがわかりました。
マシン製作をするPRODRIVEはWRCで4WDでのエビデンスを豊富に持ち、未舗装路を高速で走る4WDのノウハウを活かしてきた感じです。チーム態勢は総勢48名。アシスタントトラックが3台、サポートトラック1台(カミオン部門に参戦しながらステージ上でサポートできる)と充分な態勢です。
これで役者は揃いました。ただ現在の新型コロナ禍の影響で、開催が難しいのでは?と欧州のニュースになっています。ただサウジアラビアのスポーツ省は、すでに航空チケットを取っている参加者には、チャーター便を準備すると開催に向けて動いています。さすがにイギリスからの参加者は難しいかもしれませんが、まずは関係者の安全が確保された上で、無事1月3日にジェッダをスタートできることを祈ります。
写真:Marian Chytka(MCH Photo)・BRX・Wouter Kingma/文:寺田昌弘
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。
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