【連載全10話】第3話 MGB GT V8・・・小さなボディーに大きなエンジンを積んだクルマ

エネルギー効率を追求しダウンサイジングが進む自動車業界ですが、過去を振り返れば、小さな車体に不釣り合いなほどの大排気量・高出力エンジンを搭載したクルマもありました。注目すべき名車をピックアップし、週替わりで紹介します。

MG・MGB GT V8

1962年から1980年までシリーズ累計で52万台以上もつくられた傑作スポーツカーであるMGB。基本はオープン2シーターだが、1965年にテールゲート付きのファストバックルーフを備えて2+2クーペとしたMGB GTが加えられた。パワーユニットはオープンと同様1.8リッター直4 OHVだったが、それを3.5リッターV8 OHVに換装したのが、1973年に登場したMGB GT V8である。

この3.5リッターV8ユニットはそもそも米国ゼネラルモーターズ(GM)のビュイックで開発されたもので、旧ローバー社が生産設備ごと譲り受けてレンジローバーなどに搭載していた。総アルミ製のため、排気量が半分近いオリジナルの鋳鉄製1.8リッターユニットよりも軽量なのが特徴で、ハンドリングへの悪影響もなし。最高出力は137PSと控えめだったが、最高速度199km/h、0-400m加速16.45秒のパフォーマンスを誇った。

MGB GT V8は1976年に生産終了となり、オリジナルのMGBと同GTも前述したように1980年で生涯を終えたが、それから10年以上を経た1992年に登場したのがMG RV8。MGBをアップデートしたオープン2座ボディーに、MGB GT V8用の3.5リッターV8から発展した3.9リッターV8ユニットを搭載したモデルである。わが国のユーノス・ロードスターのヒットをきっかけに生まれた世界的なオープンスポーツカーのブームに乗って、いわば限定復活したのだった。

[GAZOO編集部]

【連載全10話】小さなボディーに大きなエンジンを積んだクルマ

カタログ

名車・旧車トップ

  • 名車・旧車トップ
    名車・旧車トップへ