【SEMA2018特集】ピニンファリーナデザインのMGB GTを5リッターV8エンジン搭載のモンスターに!!
イギリスのMGブランドから誕生したFRスポーツのMGB。製造元となる親会社はBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)から幾度かの変遷を辿ったが、生産年は1962年から1980年までと長く、総生産台数は52万台を超えると伝えられている。
開閉式のソフトトップを備えたロードスターを基本形とし、1965年にはイタリアのピニンファリーナがデザインしたファストバック・クーペも追加。クーペモデルには「MGB GT」という車名が与えられた。エンジンはロードスターとクーペ、いずれも1.8L直4が基本であったが、一部には3.0L直6を搭載した「MGC」、3.5L V8を搭載した「MGB GT V8」というモデルも存在した。
当時MGにとって最大の輸出先だったのがアメリカ。MGの輸出は第二次大戦後に本格化し、MGBの前身モデルにあたるMGAなど、相当数のモデルが大西洋を渡っている。高い人気を誇った英国製スポーツカーは、当時アメリカのモータースポーツシーンで活躍したことでも有名だ。
ミシガン州のコマース郡区に住むジョー・ホーリーフィールドさんも、そんな伝統的ブリティッシュ・スポーツを愛好する、ひとりのカーエンスージアスト。物心ついた頃からクルマが大好きで、子供のときにはおもちゃのクルマを作ることに熱中したそうだ。大人になっていくにつれて、趣味の対象はゴーカートやミニバイク、モーターサイクル、そして本物の四輪車へと移っていき、それらをバラしては作り、壊しては直しを繰り返して、メカニズムに関する知識を深めていったという。
「自分の力でクルマやバイクをいかに速くすることができるか」を常に追求してきたホーリーフィールドさん。レーシングガレージに務めた際には、現場で数多くの英国製スポーツカーに触れてきた。いつかはハイパフォーマンスなブリティッシュ・スポーツを作ってみたいという念願を叶え、ホーリーフィールドさんがこの度SEMAで披露した愛車が、1974年式のMGB GTである。昔から好きだったピニンファリーナデザインのシルエットを活かし、自分だけのハイエンドスポーツをクリエイトした。
まずパワートレインは、“Coyote(コヨーテ)”というニックネームでも知られるフォード製の5.0L V8エンジンと、同じくフォード製MT82型6速MTを組み合わせて搭載。エンジンはフォード・チューナーとして有名なラウシュ・パフォーマンスが組み上げたユニットを使用しており、55mmの8連独立スロットルも加えている。
もともとV8モデルが存在するMGBではあるが、ホーリーフィールドさんは自身がフォーミュラカーやカートの製作で培ってきたノウハウを活かし、「ストレスド・メンバー・エンジン」と呼ばれるマウント方式を採用した。
バルクヘッドの一部を切開し、トランスミッションの通り道とフロアパネルを兼ねるスチール製のタブを製作。V8エンジンはフレームレールに、トランスミッションはバルクヘッドと後方のクロスメンバーにそれぞれ直付けし、マスの集中化と軽量化を実現させている。
3インチワイド化されたボディの外装パネルも、ホーリーフィールドさんが一から製作。あくまで純正っぽいスタイリングを保ちながら、フロントフェイスと前後フェンダーはFRP、オリジナルデザインのエアスクープを設けたルーフはスチールで作った。リアハッチの上部には空力を改善するボルテックス・ジェネレーターも追加している。
フロントサスペンションはFast Cars Inc.がリリースしているサブフレームをベースに、ワンオフした鋼管コントロールアームやQA1のショックアブソーバをマウント。リアサスペンションもオリジナルの4リンク・リジッド機構を製作し、デフケース後方にワットリンクも追加してある。コーナリング時の横力を吸収するショックアブソーバが室内に見える形でマウントされているのもユニークだ。
メタル製のセンタートンネルが目を引く内装には、ブラックの生地とイエローのステッチを使用したトリムを採用。グラントのステアリングホイール、バートンのシフター、カスタムメイドのバケットシートなどが備わり、純正ベースのインパネには計器類や1DINオーディオが装着されている。ペダルはウィルウッドのアッセンブリーキットを採用した。
全力を注ぎ込んで夢のMGB GTをビルドしたホーリーフィールドさん。愛車に与えたニックネームは、“Double Agent(ダブル・エージェント”という。英国の装いにアメリカのハートを秘めた二重スパイ、といったニュアンスだ。
もちろんすでに走行可能な状態なので、SEMAでのお披露目が終わったいま、サーキットで500psのパワーを思う存分開放する瞬間を待ちわびている。
[ガズー編集部]
「SEMA2018 @ラスベガス」の記事
あわせて読みたい「SEMA」の記事
最新ニュース
-
-
ついに1000万円超えた、トヨタ『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEV…510万円からの入門車も
2024.12.21
-
-
-
初心者必見! エアクリーナーフィルター交換で失敗しないためのポイント~カスタムHOW TO~
2024.12.21
-
-
-
トヨタ『MIRAI』が動力源の水素キッチンカー、汐留クリスマスマーケットに出店へ…12月21-22日
2024.12.21
-
-
-
日産『キックス』旧型を「キックス プレイ」として併売へ
2024.12.21
-
-
-
マルチスズキ、『ワゴンR』発売25周年を祝う…3年連続インドベストセラー車に
2024.12.21
-
-
-
横浜ゴムはタイヤ/ホイールの2ブース出展、織戸茉彩選手の『MAAYA GR86』展示も…東京オートサロン2025
2024.12.21
-
-
-
マツダが8車種と最多、米IIHS最高の安全性評価「トップセーフティピック+」獲得
2024.12.21
-
最新ニュース
-
-
ついに1000万円超えた、トヨタ『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEV…510万円からの入門車も
2024.12.21
-
-
-
初心者必見! エアクリーナーフィルター交換で失敗しないためのポイント~カスタムHOW TO~
2024.12.21
-
-
-
トヨタ『MIRAI』が動力源の水素キッチンカー、汐留クリスマスマーケットに出店へ…12月21-22日
2024.12.21
-
-
-
日産『キックス』旧型を「キックス プレイ」として併売へ
2024.12.21
-
-
-
マルチスズキ、『ワゴンR』発売25周年を祝う…3年連続インドベストセラー車に
2024.12.21
-
-
-
横浜ゴムはタイヤ/ホイールの2ブース出展、織戸茉彩選手の『MAAYA GR86』展示も…東京オートサロン2025
2024.12.21
-