第11話 スズキ・アルト・・・あのクルマの“初代”特集
長年にわたってつくられている、誰もが知っているあのクルマ。最近車名が復活した、名車といわれるあのクルマ。今回は、そんな有名どころの“初代モデル”を紹介します。
スズキ・アルト
1979年、軽乗用車フロンテのフルモデルチェンジと同時にデビューした兄弟車。移動手段としてのクルマ本来の機能を追求し、無駄を極力省いたベーシックカーで、装備を徹底的に簡素化。加えて当時の税法では物品税が課せられた乗用車ではなく、非課税だった商用車登録とすることで、フロンテの最廉価グレードより10万円近く安い47万円という驚異的な低価格を実現した。
ボディーは3ドアハッチバック。基本設計は、国産FFのパイオニアだったスズライトに先祖返りするがごとく、それまでのRRからFFに転換したフロンテに準じており、水冷2ストローク3気筒539ccエンジンで前輪を駆動。当初はモノグレードで、ウィンドウウォッシャーは手押しポンプ式、ラジオはオプション、そして左側ドアの鍵穴まで省略するなどコストダウンが徹底されていた。
自動車業界初となる全国統一価格の導入も画期的だった。それまでは地域ごとに販売価格が異なるため、全国展開されるテレビCMなどでは正面切って価格を訴求できなかったのだ。その縛りを自ら解き放ち、「アルト47万円」と高らかにうたいあげると、反響はすさまじく、スズキ始まって以来の大ヒットを記録した。アルトの成功に倣って翌1980年以降、他社からも商用登録モデルが続々と登場。軽ボンネットバン、略して軽ボンバンは、たちまち軽市場の主流となったのだった。
[ガズー編集部]
あのクルマの“初代”特集
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