【連載全14話】第6話 プーマGT・・・軽さが走りに生きている! FRPボディーの名車特集

金属でできた製品というイメージが強い自動車ですが、なかには軽量化の観点から樹脂製のボディーを持つものも存在します。今回は、そのうちFRP(繊維強化プラスチック)をまとうモデルをピックアップ。週替わりで紹介します。

プーマGT

ブラジルでライセンス生産されていたドイツのDKW、すなわち2ストローク3気筒エンジンを搭載するFF小型車のメカニカルコンポーネンツを使って、1964年からスポーツカーをつくり始めたのがプーマだ。プーマGTは1966年に登場したが、翌1967年にDKWの生産元がフォルクスワーゲンのブラジル子会社に吸収されたため、ベースカーをフォルクスワーゲン車に変更。これにともない、FFからRRへと駆動方式を180度転換した。

1968年にデビューしたプーマGT1500は、ホイールベースを250mm短縮して2150mmとしたフォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)のプラットフォームに、フェラーリ275GTB風のスタイリッシュなFRP製の2座クーペボディーを架装。パワーユニットは最高出力60PSにまでチューンされた1.5リッターフラット4で、車重680kgという軽量な車体を150km/hまで引っ張った。

その後、ボディーの細部を改め、エンジンを1.6リッター(同70PS)へと換装したGTE(写真左)に発展。2座スパイダーのGTS(写真右)も加えられた。1977年には、プラットフォームをフォルクスワーゲンのブラジル現地法人のオリジナルモデル、ブラジリアをベースとするものに変更。ボディーについてもイメージはそのままにFRP製パネルを一新した。

小変更を加えながらつくり続けられたが、1980年代に入るとブラジル経済の悪化とともに販売台数が減少し、1985年に工場が閉鎖され生産終了。翌1986年からは、少数ながら別会社での生産が再開されたが、それも1993年には終了した。

[GAZOO編集部]

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