【連載全14話】第12話 オートザムAZ-1・・・軽さが走りに生きている! FRPボディーの名車特集

金属でできた製品というイメージが強い自動車ですが、なかには軽量化の観点から樹脂製のボディーを持つものも存在します。今回は、そのうちFRP(繊維強化プラスチック)をまとうモデルをピックアップ。週替わりで紹介します。

オートザムAZ-1

1992年にデビューしたミニスーパーカー。1989年の東京モーターショーにA、B、Cの3タイプが参考出品されたAZ550スポーツのうち、最も好評だったタイプAを市販化したもので、オートザムとは1980年代末から1990年代にかけてマツダが販売系列を5チャンネル化したときのブランドのひとつである。

スケルトンモノコックと称する独特なフレームにFRP製パネルをかぶせたボディーは、ガルウイングドアが最大の特徴。サスペンションはスズキ・アルトワークスのフロント用を流用した4輪ストラットで、ミドシップされるパワーユニットはやはりアルトワークス用の657cc直3 DOHC 12バルブ(最高出力64PS)。同じくアルトワークス用の5段MTを介して、自動車専門誌のテストでは0-400m=16.6秒、0-100km/h加速9.2秒という、同門のユーノス・ロードスター(NA型)にほぼ匹敵する加速性能を記録している。

1993年にはスズキからOEMモデルがキャラの名で登場。またエアロパーツを備えたマツダスピードバージョンや、当時存在したマツダの商品企画を専門に行うM2がプロデュースしたM2-1015などの特別仕様車もリリースされた。しかし標準仕様で約150万円と軽としては高価格だったこと、マニアックゆえの実用性の低さ、またデビュー時期がバブル崩壊と重なってしまったことなどがネックとなって販売は低迷。キャラを含め5000台弱がつくられたところで1994年には生産終了となった。

[GAZOO編集部]

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