【連載全14話】第10話 フェラーリ308GTB・・・軽さが走りに生きている! FRPボディーの名車特集

金属でできた製品というイメージが強い自動車ですが、なかには軽量化の観点から樹脂製のボディーを持つものも存在します。今回は、そのうちFRP(繊維強化プラスチック)をまとうモデルをピックアップ。週替わりで紹介します。

フェラーリ308GTB

V6エンジン搭載のディーノ246GTB/GTSの後継モデルとして、1975年のパリサロンでデビューしたV8エンジン搭載の2座ベルリネッタ。今日のF8トリブートへと続く、V8エンジンをミドシップしたスモールフェラーリのルーツとなるモデルである。

鋼管スペースフレームを基本とするシャシーに架装されたピニンファリーナ・デザインのボディーは、フェラーリのロードカーとしては初となるFRP製。開発当時、イタリアで猛威をふるっていた労働争議の影響で、スチール製ボディーパネルの生産が間に合わなくなる恐れがあったための選択といわれている。

横向きにミドマウントされるパワーユニットは、ベルトーネデザインの2+2ボディーを持つ308GT4に先行して積まれていた、最高出力255PSを発生する3リッターV8 DOHCで、5段MTを介してのトップスピードは252km/hとうたわれていた。

1977年にデタッチャブルトップを備えた308GTSが追加され、同時にボディーはスチール製に改められた。この変更により、FRP製ボディーで1090kgだった車重は150kg前後増えたといわれている。1980年には燃料供給をキャブレターに代えてインジェクション化した308GTBi/GTSiが登場。同年には2リッター以上の自動車税が高額だったイタリア国内向けに1991ccエンジンを積んだ208GTB/GTSが追加され、後にそれらにはターボが装着された。1982年にエンジンが4バルブ化された308GTB/GTSクワトロバルボーレに進化した後、1985年に328GTB/GTSに交代するまで、10年の寿命を保った成功作だった。

[GAZOO編集部]

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