【連載全16話】第1話 いすゞ・ベレット1600GT・・・日本生まれの懐かしいスポーツモデル

今回は、一見ごく普通のクルマのようでありながら、優れた走行性能や運転の楽しさで知られたFR(フロントエンジン・リアドライブ)の日本車をピックアップ。1970年代のモデルを中心に16車種を週替わりで紹介します。

いすゞ・ベレット1600GT

1964年にデビューした、日本で初めて「GT」を名乗ったモデル。そもそもベレットは1963年に登場した1.5リッター級の4ドアセダンだったが、国産量産小型乗用車としては初めて4輪独立懸架を採用。ベンチシートにコラムシフトが常識だった時代にセパレートシートに4段フロアシフト(MT)の組み合わせを標準として、「スポーティ・サルーン」とうたっていた。

そのスポーティーな資質をさらに前面に押し出したのが1600GTである。2ドアクーペ化したボディーに、SUツインキャブを備えた超ショートストローク型の直4 OHV 1.6リッターエンジンを搭載。ビニールレザー張りのバケットシート、タコメーターを含む完備したメーター類、ウッドリムのステアリングホイールなどを備えたインテリアも本場欧州産GTに負けない雰囲気を放っていた。

デビュー半年後には早くもフェイスリフトを実施し、国産初となる前輪ディスクブレーキを採用。その後も何度もマイナーチェンジを重ねながら、1966年にはボディー後半をファストバックに改めた1600GTファーストバック(メーカー表記)、1969年には117クーペ用のDOHC 1.6リッターエンジンを移植した最終発展型ともいえる1600GTRなどを追加。「ベレG」の愛称で呼ばれ1973年までつくられ、生涯を通じてレースでも活躍した。

[ガズー編集部]

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