【連載全16話】第4話 トヨタ・セリカ1600GT・・・日本生まれの懐かしいスポーツモデル

今回は、一見ごく普通のクルマのようでありながら、優れた走行性能や運転の楽しさで知られたFR(フロントエンジン・リアドライブ)の日本車をピックアップ。1970年代のモデルを中心に16車種を週替わりで紹介します。

トヨタ・セリカ1600GT

1970年に誕生したセリカは、カローラとコロナの中間に位置するセダンであるカリーナ(セリカと同時にデビュー)と共有するフロアユニットに、スタイリッシュな2ドアクーペボディーを架装。それまでのセダンのルーフを改変したクーペやハードトップではなく、専用ボディーと車名を持つトヨタ初のスペシャルティーカーだった。

外装、内装、エンジン、変速機などを複数の選択肢からセレクトし、好みの一台を仕立てる“フルチョイスシステム”の導入も話題を呼んだが、トップグレードの1600GTだけはメーカー仕立てのレディーメイドだった。

1.6リッターの直4 DOHC「2T-G」型エンジンは、ソレックスのツインチョークキャブレターを2連装して最高出力115PSを発生。5段MTを組み合わせ、カタログ値では最高速度190km/h、0-400m加速16.5秒をうたった。

高性能とはいえ、デビュー当初の「恋はセリカで」というキャッチフレーズが示すように硬派な雰囲気ではなく、当時は高級車向けのアクセサリーだったパワーウィンドウやFM付きラジオを標準装備するなど快適性も重視。それでいながら、同じ1.6リッターDOHCエンジンを積んだライバルたちに比べ2割以上も安い87万5000円という買い得感のある価格設定も手伝い、高い人気を誇った。

【連載全16話】日本生まれの懐かしいスポーツモデル

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