【連載全16話】第7話 マツダ・サバンナGT・・・日本生まれの懐かしいスポーツモデル

今回は、一見ごく普通のクルマのようでありながら、優れた走行性能や運転の楽しさで知られたFR(フロントエンジン・リアドライブ)の日本車をピックアップ。1970年代のモデルを中心に16車種を週替わりで紹介します。

マツダ・サバンナGT

既存のファミリアプレスト ロータリーとカペラ ロータリーの中間に位置するロータリーエンジン搭載車として、1971年に登場した初代サバンナ。同時にデビューしたレシプロエンジン搭載のグランドファミリアと、基本となるボディーを共有するが、独自の車名とフロントフェイスを持つロータリー専用車というポジションが与えられていた。

ファミリアプレストよりもひとまわり大きいボディーは当初、4ドアセダンと2ドアクーペの2種類。前がストラット/コイルの独立、後ろがリーフリジッドというオーソドックスな足まわりを持つシャシーに、ファミリアプレスト ロータリーよりややチューンを高め491cc×2の排気量から最高出力105PSを発生する10Aユニットを搭載していた。

当時ロータリーといえば、マツダワークスのカペラ/サバンナと日産ワークスのスカイライン2000GT-Rがツーリングカーレースで火花を散らしていた。そこで絶対王者だったGT-Rを打ち破ったのが、サバンナのクーペボディーにカペラ用12Aユニットを積んだ輸出仕様のサバンナRX-3。それを市販化したのが、1972年に加えられたサバンナGTである。

573cc×2から120PSを発生する12Aユニットと5段MTを搭載するサバンナGTの車重は885kg。7.38kgという“馬力当たり重量”は国産ではトップクラスの軽さだった。メーカー公称値で最高速度190km/h、0-400m加速は15.6秒(2人乗車時)という動力性能は抜群で、とりわけ79万5000円という価格とのコストパフォーマンスでは無敵の存在だった。それゆえに走り好きからは歓迎されたが、いっぽうで、違法改造を施された街道レーサー仕様も少なからず出現してしまったのだった。

[GAZOO編集部]

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