【連載全16話】第13話 ダイハツ・シャレード・・・日本生まれのFF車特集

現在、エンジンを搭載するクルマではFF(フロントエンジン・フロントドライブ)という駆動方式が主流です。では、これまでどんなモデルがあったでしょうか? 自動車史に名を残すFFの日本車を週替わりで紹介します。

ダイハツ・シャレード

1963年に誕生したコンパーノ以来となる、純ダイハツ製の小型乗用車として1977年10月にデビューした初代シャレード。今日では小型車用エンジンの主流となっている4ストローク3気筒を四輪車では世界に先駆けて採用したことを筆頭に随所に小型軽量化のための叡知(えいち)が光るリッターカーで、その合理的な設計思想が石油危機後にパラダイムシフトが起きた市場で高く評価され成功をおさめた。

1983年1月にフルモデルチェンジした2代目(写真)は、ボディーを初代の5ドアハッチバック/3ドアハッチバッククーペから一般的な3ドア/5ドアハッチバックに変更。2代目も最大の話題はパワーユニットで、先代からの1リッター直3 SOHCに加えて、乗用車用としては世界最小となる1リッター直3のディーゼルユニットが登場。38PS(グロス値、以下同じ)というパワーと60km/h定地燃費でリッターあたり37.1kmという驚異的な燃費性能を実現し、究極の経済車(まだ「エコカー」という呼び名はなかった)として注目を集めた。

その後も1リッターのガソリンターボユニット搭載車、それをベースにイタリアのデ・トマソ社がプロデュースしたホットハッチのデ・トマソ ターボ、さらにはリッターあたり出力ではディーゼル乗用車中トップとなる最高出力50PSと自然吸気版を上回る38.0km/リッターという60km/h定地燃費を誇るディーゼルターボユニット搭載車などを追加設定。小型車づくりに懸けるダイハツの技術とプライドが込められた秀作だった。

[GAZOO編集部]

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