日産レパード・・・生き物の名前が付いたクルマ特集
大自然の中を駆ける動物や、大空を舞う鳥、そして海洋生物――今回は、そうした“生き物”の名前を車名に冠した世界の名車をピックアップ。どんなクルマだったのか、週替わりで紹介します。
日産レパード
どう猛で俊敏とされるネコ科の猛獣の名をブランド/モデル名に冠したモデルは、古今東西少なからずある。ジャガー、パンサー、ピューマ、クーガー、レオーネ……英語で「ヒョウ」を意味するレパード(leopard)もそのひとつで、1980年に日産からリリースされた。
輸出専用モデルだった910型ブルーバードの6気筒版のシャシーをベースに、独自の2ドア/4ドアハードトップボディーを架装した高級パーソナルカーで、エンジンは2リッター/2.8リッターの直6 SOHCおよび1.8リッター直4 SOHCを搭載。販売店違いの双子車であるレパードTR-X(トライエックスと読む)も用意された。
この種のモデルでは日本初となる4ドアハードトップを設定し、グラスエリアの広い大胆なスタイリングを採用するなど意欲作だったが、翌1981年にトヨタからパフォーマンスで勝るソアラがライバルとして名乗りを上げると、立場は苦しくなった。
1986年にはソアラを強く意識し、R31型スカイラインと基本設計を共有する2ドアハードトップのみとなった2代目に世代交代。1992年に登場したJフェリーのサブネームを持つ3代目の実体は、北米向けの高級4ドアセダンであるインフィニティJ30だった。そして1996年に車名を再びレパードに戻した4代目にして最終世代は、事実上Y33型セドリック/グロリアの兄弟車。というようにモデルチェンジの度にコンセプトとキャラクターが変節してしまい、個々の出来は評価されつつも、一貫したブランドイメージを築くことができなかった。
[ガズー編集部]