フォード・マスタング…生き物の名前が付いたクルマ特集
大自然の中を駆ける動物や、大空を舞う鳥、そして海洋生物――今回は、そうした“生き物”の名前を車名に冠した世界の名車をピックアップ。どんなクルマだったのか、週替わりで紹介します。
フォード・マスタング
戦後のベビーブーマーを対象とする綿密なマーケティングから企画され、1964年のデビューから2年弱の間に累計生産100万台に達するビッグヒットとなり、スペシャルティーカーというカテゴリーを切り開いたモデル。マスタング(mustang)とは、「北米からメキシコにかけての平原に生息する、家畜から野生化した小型馬」を意味する英語である。
実用的なコンパクトカーであるファルコンをベースとするシャシーに、2ドアハードトップまたはコンバーチブルボディーを架装、遅れてファストバックも追加設定された。中身はやや平凡だが、スポーティーでスタイリッシュなルックスとリーズナブルな価格が最大の魅力。加えて基本モデルを除き特定のグレードを設定せず、豊富なオプションを用意して、ユーザーが好みの一台を仕立てるという画期的な販売方法も当たった。
マスタングの成功を受けて、ライバルであるゼネラルモーターズ(GM)のシボレー・カマロをはじめとするフォロワーが続々と登場。マスタングにちなんで、同種の小型スペシャルティーカーは“ポニーカー”(ポニー=小型の馬)とも呼ばれた。そしてそのブームは、やがて欧州や日本へと広がっていった。
1974年に登場した2代目以降は時代の流れでダウンサイズされることもあったが、スポーティーなスペシャルティーカーというコンセプトがブレることはなかった。フォードは将来的に、北米市場でセダンの取り扱いを廃止した後も、マスタングは残すことを明言している。
[ガズー編集部]
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