【連載全11話】第10話 トヨタ・センチュリー・・・“長寿の車名”を持つクルマ

長年親しまれてきた車名は、そのクルマが多くの人に愛されてきた証しでもあります。今回は、途中でブランクを挟んだものも含め、車名が何代にもわたって使われている11車種をピックアップし、週替わりで紹介します。

トヨタ・センチュリー

1967年、トヨタグループの創設者である豊田佐吉の生誕100年を迎えたことにちなみ、英語で「世紀」を意味するセンチュリーを車名に冠してデビューした、主としてショーファードリブン向けのフラッグシップサルーン。系統としては、1964年に2代目クラウンから派生した国産初のV型8気筒エンジン搭載車だったクラウン・エイトから独立、発展したモデルとなるが、車体をはじめすべてが新たに専用設計された。

4ドアセダンボディーは、全長×全幅×全高=4980×1890×1450mmという堂々たるサイズ。フロントにエアサスペンションを備えたシャシーに積まれるパワーユニットは総アルミ製、クロスフローのヘミヘッドを持つ3リッターV型8気筒OHV。当初は4グレードが用意されたが、最高級のDタイプはパワーステアリング、パワーウィンドウ、前席パワーシート、エアコンから空気清浄機まで当時考えうる限りのアクセサリーをフル装備。一方Aタイプは、本革張りシートに4段フロアMT、タコメーターを備える、オーナードライバー向けの仕様だった。

エンジン拡大などの改良やリムジンの追加など変遷を重ねつつ、国産乗用車で最長寿となる30年にわたってつくられ、1997年に国産では最初で最後となるであろうV型12気筒の5リッターエンジンを積んだ2代目に世代交代。これも20年という長命を保って2017年に販売終了した。そして、そこから1年余の空白を経た2018年、初代からの伝統を守ったボディーに5リッターV8エンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載した3代目となる現行モデルが登場。2023年には背の高い5ドアボディーに3.5リッターV6エンジン+モーターのプラグインハイブリッド機構と4WDを組み合わせたモデルを追加設定。これを新しいセンチュリー、従来のモデルをセンチュリー(セダンタイプ)と呼び、併売している。

[GAZOO編集部]

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