【連載全11話】第11話 ランドローバー・レンジローバー・・・“長寿の車名”を持つクルマ

長年親しまれてきた車名は、そのクルマが多くの人に愛されてきた証しでもあります。今回は、途中でブランクを挟んだものも含め、車名が何代にもわたって使われている11車種をピックアップし、週替わりで紹介します。

ランドローバー・レンジローバー

第2次世界大戦中にアメリカで生まれ、連合国の勝利に貢献した小型四輪駆動車のジープ。それに触発されたモデルが戦後各国でつくられ、英国ローバー社から1948年に登場したのがランドローバー。後のディフェンダーのルーツとなるモデルである。そのランドローバーの悪路走破性と最高速度155km/hのオンロード性能、そして高級サルーンの快適性とワゴンの多用途性を兼備した、新たな概念の四輪駆動車として、レンジローバーは1970年に誕生した。

強固なラダーフレームにストロークたっぷりの前後リジッドアクスルを持つシャシーに、ボクシーだが洗練されたデザインのボディー(当初は2ドアのみ、1980年に4ドアを追加)を架装。米国ビュイックから生産設備ごと導入した総アルミ製の3.5リッターV8エンジンを搭載し、フルタイム4WDシステムで4輪を駆動した。その実力もさることながら、英国王室や貴族にも愛用されるステータスをも備えたモデルとして「砂漠のロールス・ロイス」の異名をとり、今日、世界中のプレミアムブランドが注力している高級SUVというカテゴリーを開拓した。誕生から四半世紀がたとうという1994年に2代目が登場したが、初代の人気は衰えず、レンジローバー クラシックの名で1996年まで継続生産されたほどだった。

その後2001年に世代交代した3代目からはモノコックボディーに四輪独立懸架を採用。2021年に登場した5代目となる現行モデルは、4.4リッターV8ターボや3リッター直6ターボユニット+モーターのプラグインハイブリッドなどをラインナップ。ロールス・ロイス本家からフェラーリまでが群雄割拠する高級SUV市場でも、半世紀以上に及ぶ歴史に培われた実力と風格で唯一無二の存在となっている。

[GAZOO編集部]

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