【連載全12話】第7話 スズキ・アルト スライドスリム・・・個性的なドアのクルマ特集
「前開き」に「跳ね上げ式」、なかには「上下スライド式」なんてクルマも……。今回は、ドアの開閉方式が個性のひとつとなっている世界の名車を週替わりで紹介します。
スズキ・アルト スライドスリム
1979年に誕生し、徹底的に簡素化した設計と物品税(当時)がかからない商用車登録とすることで47万円という驚異的な低価格を実現し、軽ボンバン(ボンネットバン)ブームを巻き起こした初代スズキ・アルト。2度目のフルモデルチェンジを受けて1988年に登場した3代目には、スライドスリムと称する3ドアモデルがラインナップされていた。
その特徴は、2枚の左右ドアをスライド式としたこと。フロントにスライドドアを採用したのは日本初の試みで、それに2代目の女性仕様車から採用されていた、運転席が時計回りに60度動く回転ドライバーズシートを組み合わせていた。乗降性の向上、特に狭い場所での使い勝手を重視した設計だったが、ドアの開閉は電動ではなく手動だったため、傾斜地などでは、主なターゲットとした女性には負担となることもあった。
1990年に軽自動車規格が変わり、排気量の制限が550ccから660ccに改定されたことに合わせたマイナーチェンジで、スライドドアは運転席側のみとなり、助手席側は5ドアと同じ通常のヒンジ式の前後ドアとなった。つまり右側1枚、左側2枚の変則4ドアとなったのである。だがいずれのタイプもあまり需要はなかったようで、スライドスリムは一代限りで消えた。ちなみにアルト スライドスリムの登場から16年後の2004年にデビューした、Bセグメントの3ドアトールワゴンであるプジョー1007は両側に電動スライドドアを採用していたが、こちらもモデルライフとしては単発に終わっている。
[GAZOO編集部]
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