【連載全12話】第11話 ロールス・ロイス・レイス・・・個性的なドアのクルマ特集

「前開き」に「跳ね上げ式」、なかには「上下スライド式」なんてクルマも……。今回は、ドアの開閉方式が個性のひとつとなっている世界の名車を週替わりで紹介します。

ロールス・ロイス・レイス

1906年の創業からもうすぐ100年という2003年、新たにBMW傘下のメーカーとして設立されたロールス・ロイス・モーターカーズ。その新生ロールス・ロイスがリリースしたファントム、ゴーストに続いて2013年に登場したモデルがレイスである。レイスという名称は1938年にデビューしたモデル名を復活させたものだが、21世紀のレイスは(登場時点で)「史上最もパワフルなロールス・ロイス」とうたわれた2ドアクーペだった。

「1950~1960年代の偉大なグランドツアラーにインスピレーションを得た」というファストバッククーペボディーは、2008年に登場したファントムクーペと同様に後ろヒンジ、前開きのドアを持つ。ロールス・ロイスではコーチドアと称するこの形式は、かつては量産車にも使われており、日本車ではスバル360などが知られるところだ。だが、俗に「スーサイドドア」と呼ばれたように走行中に開いてしまう危険があったため1960年代後半以降は使われなくなっていた。それが現代の技術で安全性が確保できるようになったため、復活したのである。

うたい文句のとおり、632PSという強大なパワーを発生する6.6リッターV12ツインターボユニットと8段ATの組み合わせは、全長5.3m近く、車重2.4t以上の車体を250km/h(リミッター作動)まで引っ張り、0-100km/hは4.6秒で加速すると公表された。2016年には、黒を基調とするスペシャルな内外装で、最高出力は変わらないものの最大トルクが81.6kgf・mから88.7kgf・mに増強されたハイパフォーマンス版のブラックバッジを追加するなどしたが、2023年に生産終了。ロールス・ロイス初のBEVである2ドアクーペ、スペクターがその跡を継いだ。

[GAZOO編集部]

名車・旧車トップ

  • 名車・旧車トップ
    名車・旧車トップへ