トヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ(1972年~) トヨタ 歴代スポーツカー<1970年代>2話

第2話 初代カローラ・レビン/トヨタスプリンター・トレノ

1972年には、さらにホットなモデルが加わった。セリカ/カリーナよりひとまわり小さい、ベストセラーであるカローラ/スプリンターのクーペボディーに、パワフルな2T-Gを押し込んだカローラ・レビン/スプリンター・トレノである。

愛好家の間では型式名のTE27、あるいはそれを略して「ニイナナ」と呼ばれるレビン/トレノは、それまでのトヨタ車の殻を打ち破った、走りに徹したクルマだった。光り物がすべて外され、オーバーフェンダーを装着したボディーに、黒一色のインテリア。抜群のパワー・ウェイト・レシオがもたらす俊足、締め上げられた足まわりによるスパルタンな乗り味は、競技用のホモロゲーションモデルのようだったが、それだけにモータースポーツでも大活躍。とくにラリーでは、国内はもとより元ラリー・ドライバーで、後にTTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)を率いるオベ・アンダーソンのチームからWRC(世界ラリー選手権)にも参戦、好成績を残している。

1972 トヨタカローラレビン1600

大衆車であるカローラのクーペボディーに、セリカ/カリーナ1600GT用のDOHC1.6リッターエンジンを移植したカローラ・レビン。オーバーフェンダーが装着されたボディーに太いラジアルタイヤを履いた精悍(せいかん)なルックスが、当時の若者に強くアピールした。
ボディーカラーはオレンジ(写真)とダークグリーンの2色のみだった。

生産:1972~1974年

1972 トヨタスプリンター・トレノ1600

カローラ・レビンの販売店違いの双子車であるスプリンター・トレノ。両車の差異は、フロントおよびリアまわりのデザインやエンブレムなど細部のみである。
ボディーカラーもレビンとまったく同じオレンジとダークグリーン(写真)だが、レビンとトレノでは異なる色名が付けられていた。

生産:1972~1974年