トヨタ・3代目セリカ/2代目セリカXX(1981年~) トヨタ 歴代スポーツカー<1980年代>1話
第1話 3代目セリカ/2代目セリカXX
石油危機と排ガス規制という、1970年代の日本のクルマ社会を覆った二つの暗雲からようやく脱却し、高性能車の復活に光明が差し始めた1981年、セリカは3代目に進化した。よく言えば落ち着いた、悪く言えば地味な印象だった先代に対して、シャープなウェッジシェイプのボディーをまとった新型は、スポーティーなムードを前面に押し出していた。
これは数カ月前に誕生した高級グランツーリズモであるソアラに大人のマーケットは任せ、セリカは先代の途中から加わった直6エンジン搭載のXX(ダブルエックス)シリーズを含め、ターゲットを以前より若年層にシフトしたからである。
直4エンジン搭載のセリカは、初代以来のノッチバッククーペとリフトバック(LB)の二本立て。エンジンも当初は初代からのDOHC1.6/2リッターが中心だったが、82年には後者に代えて日本初となるツインカムターボの1.8リッター(3T-GTEU)搭載の1800GT-Tをラインナップ。グループB規定のラリー用ホモロゲーションモデルであるクーペ1800GT-TSも200台限定生産された。
それを高度にスープアップしたワークスマシンは、オベ・アンダーソン率いるTTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)からWRC(世界ラリー選手権)に参戦。84年から86年までサファリを3連覇している。
セリカクーペ 1600GT
1981年に登場した3代目セリカのクーペ1600GT。ポップアップ式ヘッドライトを採用したのは日本初にして唯一だったが、83年のフェイスリフトでリトラクタブル式に変更された。
セリカLBのホイールベースを延ばし、長いノーズに直6エンジンを積んだ派生車種がセリカXX。ソアラから流用した直6DOHC2.8リッター(5M-GEU)を搭載したトップグレードの2800GTは当時の国産最速マシンの1台で、若者の憧れの存在となった。82年には「レーザーα(アルファ)」と呼ばれる、直6DOHC24バルブというハイスペックな2リッター(1G-GEU)を積んだ2000GTを追加。身近な5ナンバー規格ということで、市場ではいっそうの人気を博した。
セリカXX 2800GT
セリカ・リフトバックのノーズを延長し、直6エンジンを搭載した2代目セリカXX。これは2.8リッター DOHCを積んだトップグレードの2800GT。XXは当初からリトラクタブルヘッドライトを採用していた。
セリカXX 2000GT
82年に追加された2リッター DOHC24バルブを積んだXX2000GTツインカム24。83年にはマイナーチェンジを受け、フェンダーミラーから認可されたばかりのドアミラーに変更された。
生産:1981~1986年
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