トヨタ・5代目セリカ(1989年~) トヨタ 歴代スポーツカー<1980年代>8話

第8話 5代目セリカ

昭和天皇が崩御、60年以上に及ぶ昭和が幕を下ろした1989年。トヨタ・セルシオ、日産スカイラインGT-R(BNR32)、ユーノス・ロードスターといった世界中の自動車メーカーに影響を与えたモデルが登場し、後に日本車のヴィンテージイヤー(当たり年)といわれたこの年に、セリカは5代目に進化した。

ニューエアロフォルムと称する、より曲面を強調したボディーに包まれた中身は、基本的に先代を踏襲していた。新機軸としては、その頃流行していた4WS(4 輪操舵)を用意。またハイテク花盛りだった時代を反映して、電子制御ハイドロニューマティック・アクティブサスペンションと4WS、ABSを備えたセリカ2000アクティブスポーツが300台限定で販売された。

最強グレードは先代と同様、フルタイム4WDターボのGT-Fourだが、91年には5000台限定生産のWRC用ホモロゲーションモデルであるGT-Four RCも登場。WRCでは参戦開始した92年にカルロス・サインツが90年に続いて2度目のドライバーズタイトルを獲得。さらに93年には日本車メーカーとして初めてコンストラクターズ、ドライバーズの両タイトルを制し、翌94年にかけて2連覇した。型式名ST185こと5代目セリカのGT-Fourは、トヨタのWRC挑戦の歴史において、もっとも成功を収めたマシンなのである。

セリカGT-Four

89年に登場した5代目セリカの最強グレードであるGT-Four。中身は基本的に先代より受け継ぐが、日本で初めてトルク感応型LSDを組み込んだリアデフなど、各部はブラッシュアップされていた。

生産:1989~1993年

セリカ2000アクティブスポーツ

電子制御ハイドロニューマティック・アクティブサスペンションと4WS、ABSを備え、300台が限定販売されたセリカ2000アクティブスポーツ。

1989 トヨタ セルシオ

生産:1989 ~1994年

1989 ニッサン スカイラインGT-R

生産:1989 ~1993年

1989 ユーノス ロードスター

生産:1989 ~1997年