【連載全9話】第8話 トヨタ・エスティマ・・・スーパーチャージャー付きの日本車特集

“過給エンジン”といえば、今の主流はターボエンジン。そして、クルマの内燃機関からさらなるパワーを引き出すアイテムとしてもうひとつ挙げられるのが、スーパーチャージャーです。今回は、その搭載車として知られる日本車を紹介します。

トヨタ・エスティマ

1990年にデビューしたラージクラスのミニバン。広告で「天才タマゴ」とうたった、曲面で構成された未来的なワンモーションフォルムのボディーの中身は、優れたスペース効率と良好なハンドリングの両立を求めてエンジンをアンダーフロアに搭載したミドシップというレイアウトを導入していた。

限られたスペースにおさめ、かつ重心を下げるべく新開発されたパワーユニットは、横倒しに近い75度にまで傾斜させた2.4リッター直4 DOHC。この特異な設計により全高を440mmに抑えたエンジンを前席の真下に配置し、ミドシップながら前席と後席間のウォークスルーを可能にしていた。

その意欲的な設計は高く評価され、スタイリッシュなルックスの人気も上々だったが、全長×全幅×全高=4750×1800×1780mmで車重1.7tという車体を動かすのにモアパワーを望む声もあった。とはいえ、もとより限られたスペースに大きなエンジンを積むわけにもいかず、解決策として1994年のマイナーチェンジの際に登場したのがスーパーチャージャー仕様。補機類と同様にノーズにおさめられたルーツ式のスーパーチャージャーで過給することで、最高出力と最大トルクは自然吸気版の135PS/5000rpm、21.0kgf・m/4000rpmから160PS/5000rpm、26.3kgf・m/3600rpmへとアップ。以後、ラインナップはスーパーチャージドユニット搭載車が主体となった。

[GAZOO編集部]

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