【連載全9話】第9話 日産・ノート・・・スーパーチャージャー付きの日本車特集

“過給エンジン”といえば、今の主流はターボエンジン。そして、クルマの内燃機関からさらなるパワーを引き出すアイテムとしてもうひとつ挙げられるのが、スーパーチャージャーです。今回は、その搭載車として知られる日本車を紹介します。

日産・ノート

2012年に新型グローバルコンパクトカーとしてリリースされた2代目ノート。タイ生産になって人気が低迷した4代目マーチに代わる、また前後して生産終了したティーダの市場もカバーする役目も与えられた日産の最量販車種である。

先代より全長は少々延びたが、プラットフォーム変更により軽量化された車体に搭載されるパワーユニットは、先代の1.5/1.6リッター直4 DOHCよりダウンサイズされた1.2リッター直3 DOHCが2種類。単にチューング度合いが異なるのではなく、ベーシックなHR12DE型が一般的な形式であるのに対して、HR12DDR型は直噴ミラーサイクルにスーパーチャージャーを組み合わせていた。

日産によれば、摩擦損失(フリクションロス)と吸排気損失(ポンピングロス)を低減した直噴ミラーサイクルの導入により、燃焼効率を大幅に高めて低燃費化。そのいっぽうでスーパーチャージャーにより1.5リッター級と同等の動力性能も実現したというHR12DDR型。ベーシックなHR12DE型の最高出力79PS/6000rpm、最大トルク10.8kgf・m/4400rpmに対して、パワーで2割以上、トルクで3割以上も強力な98PS/5600rpm、14.5kgf・m/4400rpmを発生。それでいながら燃費はHR12DE型よりも優秀だった。

だが、2016年にHR12DE型エンジンを発電専用としてリチウムイオンバッテリー、モーターと組み合わせ、モーターのみで駆動するシリーズ方式のハイブリッドシステムを搭載したモデルが「e-POWER」の名で追加されると、人気はそちらに集中。2020年にフルモデルチェンジされた3代目のパワーユニットはe-POWERのみとなった。

[GAZOO編集部]

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