【連載全13話】第3話 デイムラー・ダブルシックス・・・12気筒エンジン搭載の名車特集
電動化の波が押し寄せるなか、その存在が危ぶまれる大排気量の多気筒モデル。今月は、その象徴ともいえる世界の12気筒エンジン搭載車をピックアップ。週替わりで紹介します。
デイムラー・ダブルシックス
1968年、ジャガーは新世代サルーンとして初代XJ6をリリースした。スリークでエレガントなボディーにすばらしい静粛性と乗り心地、そしてスポーツカー顔負けの操縦性を備えた高級サルーンとして高い評価と人気を得た。そして、1960年にジャガーに吸収された高級車メイクのデイムラーから、XJ6の兄弟車として翌1969年に登場したのが2代目ソブリン。デイムラー伝統の意匠のフロントグリルなどで内外装をわずかに差異化し、ジャガーよりやや上級の車格とされていた。
モータースポーツでも活躍した名機ではあるが、旧式な設計だった、XJ6の直列6気筒DOHCエンジンを5.3リッターの60度V型12気筒エンジンに換装したのが、1972年に加えられたXJ12だった。そのデイムラー版には、戦前の同社のV12ユニット搭載車に倣ってダブルシックスの名称が与えられた。前年の1971年にジャガーEタイプ シリーズ3に積まれて登場したエンジンで、V12とはいえ、フェラーリやランボルギーニなどのDOHCに対してSOHCという型式。Eタイプ用よりチューンを抑えて最高出力は269PSにとどまったが、静粛性やスムーズさではイタリアンV12より優れており、サルーン用としては最高峰といわれた。3段ATを介して最高速度225km/h、0-100km/h加速8.4秒というパフォーマンスもサルーンとしては第一級だった。
追ってホイールベースを100mm延ばし、内装をより豪華にしたヴァンデン・プラを追加。1973年にはマイナーチェンジを受けてシリーズ2に移行し、1979年にはシリーズ3に発展。その後ソブリンからデイムラー4.2に名称を改めた直6エンジン搭載車がフルモデルチェンジして2代目XJ6(XJ40)の兄弟車となった後も小変更のみで、1992年まで生産を継続。翌1993年になって、XJ40系ボディーに6リッターV12を積んだ新型がようやく登場した。
[GAZOO編集部]
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