和服美人が選んだ愛車はMS105クラウン。きっかけは女子高生時代のダブルシックスへの一目惚れ
高校生の時に初めて見たデイムラーダブルシックスに一目惚れしてしまったびーとんさん。そして、手に入れた初めての愛車はちょっと古いMS105クラウン。
「いつかはクラウン」をいきなり実現しちゃったびーとんさんの愛車ライフを、ちょっと覗いてみましょう。
――こんにちは、びーとんさん。早速ですが、その「びーとん」とは、なにから付けたハンドルネームですか?
私の持っている狐のぬいぐるみを「びーとん」と呼んでいるんです。顔を見ると片側の口角が上がってて、ビートたけしさんに似てるな、と思ってびーとんにしました(笑)。
けど実は、クルマ用のSNSを始めようと思ったとき、最初はハンドルネームを「吉永小百合」にしてたんですよ。以前、クラウンのコマーシャルに出てらしたので。でも、勝手に有名人の名前を使っているのは良くないかな、と思ってびーとんに変えたんです。
――随分、古いことをご存知ですね。女性に対して失礼かもしれませんが、ご年齢をお聞きしてもよろしいですか?
構いませんよ、26歳です。
――若い! それにしても初めての愛車として購入するほどクラウンを好きになったきっかけは何だったんですか?
高校生の時、バイト終わりに自転車で帰宅していたところ、電気の消えた輸入中古車屋さんの暗がりに置いてあったデイムラーダブルシックスを見て、衝撃で暫く動けなくなったんです。
それをきっかけに、最初はそのダブルシックスか、2000年代くらいのオジサン系セダン、例えばクラウンとかコンフォートとかに乗りたいなぁと思っていました。
ですが、折角ならマニュアルで、それも価格があがる前に旧車に乗りたい、という気持ちが出てきたんです。そこで、毎日グーネットとカーセンサーなんかを見て、ピンと来たものが初代縦目セドリックとMS105クラウンだったんです。
ボルボ・アマゾンと410ブルーバードもオークションで落としかけたこともありました。
――出てくる車種が渋いですね〜、女子高生がデイムラーダブルシックスに惚れちゃうんだ! だけど、クラウンっていうと、オジサンが乗るクルマって印象じゃなかったですか?
クラウンのイメージといえばタクシーかオジサンの乗り物、それか少しやんちゃな人が車高を落として乗るクルマと思っていました。
けれど、クラウンの歴史を知るにつれて高級車らしさもやっと分かりました。カワイイよりもカッコいいほうが好きなのかも知れません。MS105クラウンのコックピットのような運転席とベンツマスクに惚れました。
――それで、今の愛車のMS105クラウンにはすんなり出会えたんですか?
ずーっと探していたのですが、なかなか御縁がありませんでした。一度だけ、縦目のセドリックを譲ってくださるかも、という人がいて、現車確認までしたんですが、うまく話がまとまらなかったことはありました。
それからもMS105クラウンもどうしても忘れられず2年探し、私は静岡ですが、茨城で理想の今の愛車と出会いました。一番欲しかったMS105の後期型だし、こだわっていた色のグリーンが綺麗で車両の状態もとても良かったです。
――それは良かったですね。2年って長いようですけど、それくらいの希少な車種で、程度のいい個体に出会えたのは2年でも短いくらいかもしれませんね。そんなレアな車両って、どうやって探したんですか?
友達とかが、インスタやツイッターに欲しがっている人がいるとかアップしてくれて、それで個人の方が連絡くださって、DM(ダイレクト・メール)でやり取りして、現車確認に行きました。
――わぁ、やっぱりZ世代ですね! 今どき、SNSで個人売買ができちゃうんですね。ところで愛車はマニュアルですよね。MT免許は持っていたんですか?
ダブルシックスに一目惚れした時は高校生だったので、その頃は免許未取得でした。免許証が取れるようになってからは、制限なく将来乗りたいクルマに乗れるように、MT免許を取得しました。本当は余裕があれば免許証の欄をすべて埋めたいのですが…。(笑)
――それは頼もしいですね〜。それで、クラウンもマニュアルで探したと。
はい、操っている感覚が楽しかったので、そこからずっと初愛車はMTと決めていました。なので、MS105クラウンで、こだわりのカラーのグリーンで状態が良い個体が出てきても、ATだとまったく眼中にありませんでした。
――実際に乗ってみてどうでしたか?
乗ってビックリするような事はありませんでした。むしろ、もっと運転しづらい、扱いづらいのかな、と思っていましたけど、そんなことなくて、当時の技術に感動です。乗り心地が高級車らしくふわふわしているのも印象的です。もっと、振動がダイレクトにくるのかなと思ってました。
それと、実は周りにアメ車に乗っている人が多くて、それに比べるとまったく別物な感じでした。日本のクルマは内装にも気を遣っているし、細やかだなぁ、と思います。
――なにかカスタムしたような部分はありますか?
クルマを手に入れる前から、純正が良いなと思っていましたので、車高も下げず、なるべくノーマルで乗っています。自分で付けたのはタイヤの後ろの泥除けくらいですかね。
――やっと手に入れた大事な大事な理想の愛車ですが、どのように乗ったり、楽しんだりしてるんですか?
普段から足として乗っているので普通のクルマとしての役割はもちろんですが、乗っていなくても見るたびにカッコいいなぁ〜と癒されてます。
コンビニなどで声を掛けてくださる方もいたり、SNSでも近所でもクルマ好きのお友達ができたり、このクラウンが人と私を繋いでくれます。 ミーティングなどのイベントもこれまではギャラリーで見る側だったんですが、これからはクルマを見せる側で参加したいと思っています。
――お仕事で通勤のため愛車を使っているんじゃないんですね。
はい、仕事は日本舞踊とかに関係する仕事でして。実は芸妓をやっています。
――うわ〜、それはこのクラウンにピッタリ似合いそう! やっぱり日本の古くからの伝統芸能、文化とかが好きだったんですか?
日本の古い文化などに興味が出てきたのは今のお仕事を始めてからですね。初期のセドリックにはシート生地に西陣織が使われていたとか、私のクラウンにしてもデザインの細やかさとか、日本車って日本の工芸品って感じですよね。
――それくらいお似合いで、惚れまくってる愛車のこのクラウンはもう手放せないですね〜
そうなんです。このクラウンはとっても状態が良く、今までのオーナーさん方が大切にしてきてくださったので 私もそれを引き継げるよう、守れるように大切に思い出を重ねたいです。
幸い、周りには古いクルマに詳しかったり頼りになる人が多いので助かってます。旧車に乗りたかったらそういう人を先に探すのがいいかも知れません。けれど、やっぱりデイムラー・ダブルシックスは未だに欲しいという気持ちはあるんですよね〜。
――えー! そのときはこのクラウンとお別れしちゃうってことですか…?
いいえ、ダブルシックスはATだけなので、将来はMS105クラウンをメインカーにして増車という形にしたいです!
高校生時代からセダンタイプのクルマに憧れ、和服が必須のお仕事をしながらこれ以上ないというくらいピッタリお似合いのクラウンに出会えたびーとんさん。そのクラウン愛も大きなものですが、さらにデイムラーも狙ってるというほどクルマ愛に溢れてました。
皆さんも、憧れのクルマありますか? あるのなら、その夢がびーとんさんのように叶うといいですね。
【Instagram】
びーとんさん
【X】
びーとんさん
(文:小林和久<(株)ヘンシュウシャ>)
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