【連載全17話】第6話 マセラティ5000GT・・・パワフル&ゴージャス! V8エンジン搭載車

排気量のダウンサイジングが進むなか、徐々に数が減りつつあるV8エンジン搭載車。今回は、かつて輝きを放った国内外のV8モデルをピックアップし、週替わりで紹介します。

マセラティ5000GT

戦前からモーターレーシングで活躍していた名門マセラティ初の本格的な量産ロードカーが、1957年に登場した3500GT。そのシャシーに、打倒フェラーリ、打倒ジャガーを目指した究極のレーシングスポーツである450S直系のV8エンジンを積んだド級のモデルが、1959年のトリノショーでデビューした5000GTである。

生産台数わずか三十数台で、さまざまなカロッツェリアによる特製ボディーが架装された。写真のモデルは1959年につくられたトゥーリング製ボディーの2台のうちの1台。エンジンのカムシャフトはギア駆動で、1気筒あたりプラグが2本あるダブルイグニッションという450S用ユニットがベース。排気量が4938ccに拡大された90度V型8気筒DOHCエンジンは、4基のダブルチョークウェバーを備えて最高出力340PSを発生。4段MTを介しての最高速度は275km/hと公表された。

1960年につくられた3台目からは、ボアとストロークを変更して排気量4941ccとなり、カム駆動をチェーン、燃料供給をルーカス製インジェクションに変えて325PSへとデチューンされたV8エンジンを搭載。1963年に変速機を5段化するなどして、1965年までほそぼそとつくられた。前述したように5000GTの生産台数はわずかだが、3台目以降に積まれたV8 DOHCエンジンはその後4.2リッター/4.7リッター版などのバリエーションを加え、マセラティの主力ユニットとしてメキシコ、クワトロポルテ、ギブリ、ボーラなどさまざまなモデルに積まれた。

[GAZOO編集部]

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