【連載全17話】第7話 ロールス・ロイス・シルバークラウドII・・・パワフル&ゴージャス! V8エンジン搭載車

排気量のダウンサイジングが進むなか、徐々に数が減りつつあるV8エンジン搭載車。今回は、かつて輝きを放った国内外のV8モデルをピックアップし、週替わりで紹介します。

ロールス・ロイス・シルバークラウドII

1955年に登場したロールス・ロイスのスタンダードモデルが、シルバークラウド。基本となる4ドアサルーンのほか、コーチビルダーによる2ドアクーペやコンバーチブルなどをラインナップ。また、いわゆるバッジエンジニアリングにより、フロントグリルなど細部のみが異なる兄弟車のベントレーSシリーズも存在した。

その別体フレーム式シャシーに搭載されていた4.9リッター直列6気筒エンジンをV型8気筒に換装したモデルが、1959年に登場したシルバークラウドIIである。ロールス・ロイスとしては20世紀初頭に試作のみに終わって以来、じつに半世紀以上を経て商品化された90度V8ユニットは総アルミ製のOHV 6230ccで、最高出力などのデータは伝統により「enough(十分)」とだけ記され未公表だった。ただし、2t近い車重であるにもかかわらず、4段ATを介して最高速度170km/h以上、0-100km/h加速13秒未満を実現したことから、最高出力は推定190PS前後ではないかといわれていた。

Lシリーズと呼ばれるこのV8ユニットは1970年に6750ccに拡大され、1982年にはベントレー・ミュルザンヌ用としてターボ仕様を追加。その後もインジェクション化、ツインターボ化などの改良が続けられ、2010年に新型ミュルザンヌ用として登場したユニットはツインターボに可変バルブ機構などを備えて最高出力512PS、最大トルク104kgf・mを発生。最終的には2020年までつくられ、ベースユニットの誕生から60年以上生き永らえたのだった。

[GAZOO編集部]

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