【連載全17話】第15話 トヨタ・セルシオ・・・パワフル&ゴージャス! V8エンジン搭載車

排気量のダウンサイジングが進むなか、徐々に数が減りつつあるV8エンジン搭載車。今回は、かつて輝きを放った国内外のV8モデルをピックアップし、週替わりで紹介します。

トヨタ・セルシオ

メルセデス・ベンツやBMW、あるいはジャガーやキャデラックといった欧米の伝統あるブランドが群雄割拠する高級セダン市場に、日本車として初めて挑んだ意欲作。日本ではバブル景気が頂点に達した1989年秋にデビューしたが、そもそもはトヨタがアメリカで新たに展開する高級ブランドであるレクサスのフラッグシップとして開発され、ひと足先にLS400の名で発売されていた。

全長5mをわずかに切る4ドアセダンボディーに積まれた心臓は、トヨタとしては初代センチュリー以来20年以上の時を経て新開発された90度V型8気筒。DOHC 32バルブ4リッターから最高出力260PS、最大トルク36.0kgf·mを発生。2カ月ほど先行してクラウンの上級グレードにも“お裾分け”されていたこのユニットは、パワー、スムーズさ、静粛性、経済性など総合的にみて、既存の高級車用V8エンジンを凌駕(りょうが)していると欧米でも評された。

問題を対症療法で処理するのではなく、原因にまでさかのぼって解決する“源流対策”と呼ばれる徹底した工作精度の追求によって、圧倒的な高品質と静粛性を実現したセルシオ/レクサスLS400。その出来栄えで欧米の高級車メーカーを震撼(しんかん)させ、発売と同時に大人気となったアメリカでは、レクサスは異例の速さでブランドを確立。コスト管理やマーケティング戦略、顧客管理なども含め、新たな高級車の指針となったのだった。

[GAZOO編集部]

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