【懐かし自動車ダイアリー】1989年(昭和64年・平成元年)~クルマで振り返るちょっと懐かしい日本

日産スカイラインGT-R
日産スカイラインGT-R

1989年(昭和64年・平成元年)| 自動車 ~ 日本車が世界のトップに並んだヴィンテージイヤー

1989年は日本車にとって特別な年となった。生産台数で世界一となったのは1980年だったが、後世に伝えられる優れたモデルが一気に生み出されたのがこの年である。8月に日産がスカイラインGT-Rを発売。最速グレードのGT-Rは16年ぶりの復活である。2.6リッター直6ツインターボエンジンを搭載し、ATTESA E-TSと名付けられた電子制御式トルクスプリット4WDと四輪操舵機構のHICASを採用したハイテクマシンだった。

9月にマツダからユーノス・ロードスターがデビュー。1.6リッター直4エンジンを積むFRレイアウトの小型オープンカーである。1950年代から60年代にかけて隆盛を誇ったライトウェイトスポーツの再来だった。クルマを運転する楽しみを前面に押し出し、廃れていたジャンルに新風を吹き込んだ。

10月にトヨタが発売したのが大型高級セダンのセルシオである。この年に設立された別チャンネルのプレミアムブランドであるレクサス用につくられたモデルで、海外ではLS400の名で販売された。4リッターV8エンジンの余裕ある動力性能と電子制御式サスペンションがもたらすソフトな乗り心地、それまでの欧米ブランドにはなかったきめ細かなサービスと品質の高さが高く評価された。「レクサスは高級車の定義を変えた」とまで言われるようになる。

3台の陰に隠れた形だが、スバル・レガシィが登場したのもこの年。1980年代の進化が実を結び、日本車のヴィンテージイヤーと呼ばれている。

  • ユーノス・ロードスター
    ユーノス・ロードスター
  • トヨタ・セルシオ
    トヨタ・セルシオ
  • スバル・レガシィ
    スバル・レガシィ

1989年(昭和64年・平成元年)| 世相と文化 ~ 昭和天皇が崩御し、ベルリンの壁が崩壊

1月7日に昭和天皇が崩御。前年に日産セフィーロのCM「お元気ですか〜」の音声が消されるなど自粛ムードが広がっていて、平成が始まってからもしばらくは日本全体が喪に服して歌舞音曲を慎んだ。

4月から消費税が3%でスタート。自動車物品税は廃止された。軽ボンネットバンの税制上のメリットがなくなり、このジャンルは消滅する。日本の政治ではリクルート疑惑を受けて竹下 登首相が退陣し、宇野宗佑が首相に就任するが女性スキャンダルが発覚。直後の参議院選挙で大敗し、海部俊樹内閣が発足した。

中国では胡耀邦総書記の死を悼む10万人の学生や市民が天安門広場に終結。自然発生的に始まったデモを危険視した政府は戒厳令を布告し、人民解放軍を出動させて鎮圧した。東欧では民主化運動が活発化。6月にポーランドの選挙で自主管理労組「連帯」が圧勝。8月に入るとハンガリーで開催された汎(はん)ヨーロッパ・ピクニックに参加した東ドイツ市民が西側に脱出を始める。11月にベルリンの壁が崩壊し、東欧諸国で共産党政権が次々に倒された。

バブル景気は絶頂を迎え、年末の大納会で日経平均株価は3万8915円に。この年は合計特殊出生率が丙午(ひのえうま)の1966年を下回る1.57となり、少子化の兆しが現れた。

プレイバック1989年(昭和64年・平成元年)

★アカデミー賞
『ドライビングMissデイジー』
★日本アカデミー賞
『黒い雨』
★NHK朝ドラ/大河ドラマ
『青春家族』『和っこの金メダル』/『春日局』
★日本レコード大賞
『淋しい熱帯魚』Wink
★日本ダービー馬
ウィナーズサークル
★日本カー・オブ・ザ・イヤー
トヨタ・セルシオ
★新語・流行語大賞
「セクシャルハラスメント」「オバタリアン」

[ガズー編集部]

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