【OPTION SUPER FES 愛車紹介】ベンツに負けた悔しさが生んだ2JZ換装の『センチュリーGT』
21年2ヶ月ぶりのフルモデルチェンジで話題となったトヨタの最高級乗用車『センチュリー』。後部座席の広さや乗降のしやすさなど、乗客をおもてなしする装備の数々を紹介するべき車両だが、今回はちょっと事情が異なる。
なぜなら、この車両の注目ポイントは…なんとエンジン!!
皇室でも使用されるショーファードリブンカー(お抱え運転手さんがドライブしてくれるクルマ)を、自ら運転して楽しむ愛車としてカスタムしている、ある意味とても贅沢な1台なのだ。
叔父さんの会社で社用車として使用されていた平成13年式のセンチュリー(GZG50)を譲り受けたというオーナーのYukiさん。
「新車価格1000万円オーバーの高級車がタダで手に入ったまではよかったものの、排気量が5リッターだから税金は高いし、走っていたらベンツに抜かれちゃうしでイイところナシ。日本が誇る最高級車がこれじゃアカンでしょ!ってことで、エンジンを載せ換えてしまおうと決心しました」とのこと。
それまでも数々のスポーツカーを乗り継ぎ、エンジンやミッションを換装するチューニングも経験していたため、その対象がセンチュリーでも特にためらうことはなかったというYukiさん。
もともと搭載されていたV型12気筒の1GZ-FEエンジン(280ps)を降ろし、新たに載せ換えたのはアリストやスープラに搭載される3リッターの2JZ-GTEエンジン。しかもアメリカのターボネティクス社製タービンに交換することで最大出力は500psオーバー!
これにより、ノーマルをはるかに上回る加速力と、排気量ダウンによる税金の減額というメリットを同時に手に入れたという。
さらにミッションもアリストの4速シフトマチックATを換装しているので、任意のギアでスポーティな走行もできるそうだ。
エンジン換装には、スペースやマウントなど物理的な問題以外にも、ECUによる制御などさまざまな壁がある。この車両は滋賀県にあるチューニングショップ・プログレスに載せ換え作業を依頼したそうで、公認車検などもしっかりと取得済み。ECUはセンチュリーのものをそのまま使用していて、エアコンをはじめとする純正電子系機能もすべて問題なく動作するという。
実は、Yukiさんのこだわりはエンジンだけに止まらない。外装も「センチュリーのノーマルらしさと古めかしさを出すために少しくすんだ色で全塗装しました」とのこと。
さらにヘッドライトはガラスを研磨してクリア加工を行ったうえで、内部をプロジェクターヘッドランプに変更している。
また、カーボンルックのフロントリップ追加、テールランプをワンオフでLED仕様に変更、エンブレムも紫色に塗り替えるなど、自らの手でカスタムを楽しんでいるのだ。
サスペンションはエアサスから車高調に変更し、さりげなくローダウン。他車種用をベースに、重量級ボディに合わせてスプリングレートや減衰力の変更を施しているそうだ。ホイールは「メーカーオプションっぽいでしょ?」ということでトムス製をチョイス。ローターやパッドを交換してブレーキも強化している。
インテリアに目を移すと、本木目パネルや本革シート、レースカーテンなどのラグジュアリーな装備に対して、運転席のバケットシート&4点式シートベルトがとてつもない違和感を醸し出している。
「これは歴代の愛車に装着して使い続けてきたものなんです。事故にあった際にコレに救われたこともあるので、ある意味『お守り』みたいなものですね」とYukiさん。
「現状でも車高調の減衰力を柔らかく設定すれば家族も快適に乗れるし、ひとりの時は高速クルージングも楽しめます。でも、足まわりを強化すればもっと気持ちよく走れるようになると思うし、エンジンも東名パワード製のキットで3.6リットル化してみたいですね」と、まだまだ手を加えたいところが尽きない様子だ。
フロントダクトからチラリと見える前置きインタークーラーや、左右4本出しのマフラーなど、よく見ればおかしな部分があるものの、まさかセンチュリーにこれほどのチューニングが施されているなんて思いもよらない意外性が魅力のこの車両。
少し前にモリゾウ社長が新型『センチュリーGRMN』でイベントに登場したと話題になっていたけれど、この車両もまさに前モデルをベースにした世界に1台のスポーツグレード!?今日もどこかでウエストゲートサウンドを響かせながら快走しているに違いない。
(写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
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