14年間かけて頭文字D仕様に。親子共通の好きなクルマ AE86スプリンタートレノ

10月17日(日)に、富士スピードウェイにて開催された「富士全国オーナーズミーティング2021」。695台のスープラ、GRヤリス、86が集まり、オーナーさん同士で、情報交換や愛車の魅力について語り合っていました。そんな「富士全国オーナーズミーティング2021」にいらっしゃってたオーナーさんに、愛車とのカーライフについてお話を伺ってきました。一体、どんなカーライフを送っているのでしょうか?

今回インタビューをさせて頂くのは、AE86スプリンタートレノに乗る「りゅうじさん」。1983年から1987年の4年間ほど販売され、生産終了から34年経った今でも「ハチロク」の愛称で多くのファンに親しまれているクルマです。スプリンターシリーズのスポーツ系モデルで、その中でも1.6リッターDOHC16バルブ(4A-GEU)エンジンを搭載したグレードの車両型式が「AE86」と呼ばれています。車両重量が軽く後輪駆動などハチロクならではの走りを楽しめ、アフターパーツも充実していることから、このクルマが欲しいという人は多く中古車市場では価格が高騰しています。ほかには、レーシングドライバー「土屋圭市さん」がAE86スプリンタートレノに乗りレースに参戦したこと。漫画「頭文字D」の作中で登場したことから注目が集まったクルマでもあります。りゅうじさんも、頭文字Dの影響でAE86スプリンタートレノに乗り始めたということです。
「免許を取ったら絶対にこのクルマに乗るぞと決めていたんです。19歳の時から乗っているんですけど、仕事をしながらコツコツお金を貯めて、自分で購入したときは本当に嬉しかったです」

りゅうじさんが乗っているAE86スプリンタートレノは、主人公「藤原拓海」が乗っているクルマで、白と黒のツートンカラーから「パンダトレノ」と呼ばれています。

「愛車として迎え入れて14年目になりますが、作中に登場する藤原拓海が乗っている車両に限りなく近づけています。完璧に再現とまではいきませんが、エンジンをAE111用5バルブ4A-Gに載せかえるなど、自分なりに色々やっています」

ほかには、ワンオフで忠実に再現したメーターや、頭文字D仕様のホイールなど、りゅうじさんのこだわりを詰め込んでいると話してくれました。筆者が驚いたのは、「藤原とうふ店(自家用)」というステッカーについて。なんでも、公認ステッカーと、そうでないステッカーがあるらしく字体や太さが微妙に違うのだとか。

「どちらが良い悪いではなく自分が出来る範囲でやれる所はこだわりたかったので、公認ステッカーを貼りました。忠実に再現したいと思っていても古いクルマなのでパーツがなかったり、そもそも車両が無かったりしますから。僕も本当はサンルーフ無しが良かったんです。しかも、故障中だし……」

りゅうじさんのAE86スプリンタートレノはサンルーフがオプションで付いていたので、原作仕様にしたいと思っていたりゅうじさんの希望からは外れてしまったとのこと。ただ、乗っていくにそれよりも、存在そのものが大切なものになっていったそうです。

「確かに、初めは頭文字Dが好きでこのクルマに乗るようになったのですが、それはあくまでもキッカケなんです。色々な場所へドライブに行った思い出の方が僕にとって大事なものになりました」

とくに、作中の舞台になった群馬の榛名山に行った時は感無量だったとのことです。りゅうじさんのお父様である「おさむさん」も、群馬に行った時は胸が高鳴ったそうです。

「ここがあの……と思いました。峠を実際に走ったのですが、こんな道を走っていたのかと感慨深かったです。」

そんなおさむさんは、りゅうじさんの影響で頭文字Dにまつわることに詳しくなっていったそうです。

「AE86スプリンタートレノというクルマは、ちょうど私達が働き盛りのときのクルマというか。今でこそ頭文字Dの影響で、息子世代や、もっと若い人達が買い始めてますけれどもね。高校生の息子からAE86スプリンタートレノのことを話されるとは思いませんでしたし、話を聞いていると懐かしいなぁと思ったんです。」

親子2世代でAE86スプリンタートレノに魅了されたお2人。これほどまでに幅広い年代に愛されるクルマはそうそうないでしょう。

[ガズー編集部]

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