アメリカ人オーナーがスープラに乗る理由は?
10月17日(日)に、富士スピードウェイにて開催された「富士全国オーナーズミーティング2021」。695台のスープラ、GRヤリス、86が集まり、オーナーさん同士で、情報交換や愛車の魅力について語り合っていました。そんな「富士全国オーナーズミーティング2021」にいらっしゃってたオーナーさんに、愛車とのカーライフについてお話を伺ってきました。一体、どんなカーライフを送っているのでしょうか?
1993年に販売が開始された、4代目スープラに乗るのは「ジャマルさん」。ハチマルスープラの愛称で親しまれ、中古車市場でも根強い人気があるクルマです。コンセプトは「THE SPORTS OF TOYOTA」で、3代目までのラグジュアリーなグランドツーリングカーというイメージは一新され、スポーツカーとしてその名をとどろかせました。搭載されるエンジンは、3リッター直列6気筒DOHCの「2JZ型」で、当時の日本の乗用車では初めて6速MTを搭載し、燃料タンクをトランク下に配置することで前後の重量配分を最適化するなど、先代に比べて本格的なスポーツカーとして進化を遂げたモデルとなっています。
母国であるアメリカを離れ、2015年に仕事の都合で日本に住むことになったジャマルさんですが、歴代の愛車は日本車ばかりで、乗れば乗るほど魅力にはまっていったといいます。
「日本車を好きになったのは、子供の頃に遊んだクルマのビデオゲームや映画を見たのがキッカケなんだ。劇中に登場した日本車が、クールでね。デザインもだけど、走行性能も最高だったんだ」
アメリカで暮らしているときは、アメ車に乗る機会も多かったとのことですが、愛車として迎え入れる気にはならなかったといいます。それは、日本車について調べていくうちに、構造や使い勝手など、車に乗るオーナーのことが事細かに考えられていると感じたからだそうです。作った人の、愛やこだわりが沢山込められていると話してくれました。これまで、様々な日本車に乗ってきたジャマルさんが、80スープラを選んだのは何故なのでしょうか?
「『ワイルドスピード』という映画にスープラが出てきたんだけど、そこで初めてスープラを見たんだ。その時はあまり好きじゃなかったんだけど、その後にビデオゲームでスープラを運転して良いなと思ったんだ。運転したのはゲームの中だけどね(笑)」
馬力やエンジン音など、走行性能が特に気に入っているそうで、仕事が休みの日は、峠や首都高を走るのが日課になっているそうです。迷路のようなトンネルやカーブなど、日本の道は、アメリカでは見たことのないような道ばかりでワクワクするとのこと。オススメは奥多摩で、夜遅くに出ると交通量も少なく、自然を感じながらドライブを楽しめるということです。ただ、後部座席のチャイルドシートに座る「ゆいちゃん」は、少し狭いと不服そうでしたが(笑)。
「スペースが少ないのはともかく(笑)、日本に来たタイミングでスープラを購入できてラッキーだったよ。今となっては、買えないくらい高値がついているからね」
なんでも、アメリカではスープラはとても人気で、500万円以上の値がついているそうです。現在は日本も車両価格が上がってきていますが、ジャマルさんが2015年に購入したときは140万円くらいで、わりとリーズナブルな値段だったといいます。アメリカでは、予算的に何度もスープラの購入を諦めていたそうで、140万円という購入価格を見たときは「神様、ありがとう!」と感動したと話してくれました。
「多くのアメリカ人が、スープラが素晴らしいということを知っているからこそ、車両価格が高いんだよ。最近は日本でも車両価格が上がっていると聞いたから、日本の皆も良さに気付き始めたんだね。アメリカだけではなく、日本でも認められたクルマに乗ることができているなんて、幸せだよ」
と語ってくれました。繊細な仕事ができる日本人だからこそ作ることができたクルマを、これからも大切にしていくそうです。
「アメリカに帰るときは、必ず80スープラを必ず連れて行くよ。アメリカの道を一緒に走るんだ」
そう言いながらスープラに触れるジャマルさんは、とても満足そうな顔をしていました。
[ガズー編集部]
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