「趣味の幅を広げ人生を豊かにしてくれた」ジムニーシエラとの出会い
ライフスタイルを変えるために転職した先で、先輩が乗っていたジムニーを見て「自分もこんな車に乗りたい」と一目惚れしたというTさん(39才)。それをキッカケにジムニーシエラ(JB74)を購入し、カーライフはもちろん趣味も増えて充実した日々を送っているという。その変化について話してもらった。
スズキ・ジムニーシエラに乗るTさん(39才)は、現在では愛車のカスタムやドライブ、釣りなど、クルマを使ったレジャーがもっぱらの趣味だというが、シエラを手に入れるまではそのどれにも興味を持っていなかったという。
そんなTさんのライフスタイルに変化が訪れたのは5年ほど前、現在の職場に転職をしたことがキッカケだったという。
「前職はサービス業だったので休みが不定期だったんです。でも、子供と遊ぶ時間をしっかり作りたいと思って転職を決めました。今は土日にきちんと休みを取れる環境です」
そうしてインターネットの回線工事を行うインフラ業務に携わることになったTさん。そこでは作業に当たる同僚と班を組んでの業務が多いそうだが、そんな職場の先輩から紹介された1台のクルマにTさんは衝撃を受けたという。
「2代目モデルのジムニーだったんですが、グリルガードが付いていたり、インチアップしてタイヤもゴツいのを履いていたりして、車高も高くてカッコよかったんです。しかも『軽自動車なんだよ』って教えられて、こんな軽自動車があるなんてとビックリしました」
それまでのTさんの車歴を振り返ると、最初に手に入れたのはスズキのKeiだった。
「専門学校に行っていたころに買ったクルマでした。免許を取ったばかりで、当時はホンダのライフが流行っていてそれが欲しいなとは思ったんですが、学生だったので予算もかけられなかったし、親が『軽自動車でエアバッグも付いているからこれに乗れ』って感じで選んだクルマでしたね」
とはいえ、使い勝手に不満はなく、学生から社会人になっても乗り続け、10年ほどを共に過ごしたという。
2台目に乗り換えたのは、結婚後に子供が生まれ、軽自動車のKeiが手狭に感じたのがキッカケだったという。「乗りやすいサイズの普通車がいいな」と思って探して手に入れたのはマニュアルミッションが積まれたフィットRSで、前オーナーによる多数のカスタムも加えられていたそうだ。
「中古車として店頭に並んでいたのを見て一目惚れって感じだったんですが、灯火類がカスタムされていたり、ボンネットを開けるとエンジンルームが赤く光ったりしていました。VTECエンジンにマニュアルミッションだったのも偶然でしたけど、加速も良くて乗りやすくて楽しいクルマでした」と振り返る。
だが、カスタムの度合いが予想以上で、思っていたよりも維持費がかかったことなどもあり、ほどなくして手放すことになってしまったという。
「それで、新しいクルマをどうしようと考えていたときに、先輩のジムニーを見せてもらったというわけです。結婚したままだったらジムニーはちょっと狭くて大変だったと思うんですが、今は離婚して娘と2人で暮らしているので、サイズ的にも大丈夫だろうと」
そして、そのころにはスズキ・ジムニーのフルモデルチェンジが話題となっていたこともTさんにとっては吉報だった。
「当時の現行型だった3代目モデルはデザインが丸っこくて、先輩のような昔のジムニーのほうがカッコいいなあと思っていたら、ちょうど新しいジムニーが発表されたんです。それがカッコよくて、現行車だから安全装備もしっかりしているし子供を乗せても安心できると思って注文しました」
しかし、Tさんが所有しているのは、軽自動車のジムニーではなく、ジムニーよりもサイズがひとまわり大きくて、エンジンも1500ccへと大型化した普通車規格のジムニーシエラ(JB74)。
当初、ディーラーに注文したのは軽自動車のジムニーだったというが、最終的にシエラを購入することになった経緯を振り返ってくれた。
「『スズキかりゆし祭り』というディーラーの展示会でシエラを見たのがきっかけでした。もとからジムニーを手に入れたらいろいろイジってみたいと思っていたので、だったら最初からオーバーフェンダーも付いていて車検もそのまま通る普通車のシエラをベースにしたほうが良いんじゃないかって思ったんです。すでにジムニーを予約していて1年以上の納期も伝えられていたのですが、シエラに変更したいということをディーラーの担当者さんにお伝えしました。『変更は可能ですが納期待ちの順番ももう一度最後からになりますよ』と言われたんですけど、それでもいいと希望を伝えて、改めて2年待ちという納期を教えてもらいました」
そして、納車までの2年間を見据えながらゆっくり準備を進めていたTさんのもとに、ディーラーからとある連絡が届く。
「自分より前のキャンセルが何件か出たそうで『2ヶ月後に納車されます』という連絡だったんです。嬉しかった気持ちが半分、ローンも2年先の納車を考えて組んでいたのでそれを前倒しする必要ができて慌てました(笑)」
そんな経緯を経て、無事に2020年3月に納車を迎えることになったのが、このジムニーシエラというわけだ。
カスタムするにあたっては、既製品を取り付けるだけでなく、Tさん独自のアイデアも取り入れられていて、たとえばフロントフェイスの印象を変化させるにあたっては、社外品のバンパーとグリルに加えて、『S』マークのエンブレムから『SUZUKI』のロゴマークに変更しているという。「いろいろ探したなかで、これがちょうどいいと思って」とTさんが見つけたのはスズキ・キャリーの純正エンブレムだ。
また、エクステリアのステッカー類は看板屋での職務経験を活かして自作。「ジムニーには『ワイルドウインド』という特別仕様車があるんですが、それを間違えて『ワイルドワイルド』って読んだら面白がられたことがあって、それをネタにして貼ってみました(笑)」という遊び心も。
タイヤはリフトアップせずに収まるギリギリを目指したという235/75-15にサイズアップ。これはせっかくジムニーに乗っているならと始めた、海辺沿いの砂浜を訪れるドライブコースを楽しむにも役立っているという。「地図アプリを使ってクルマで行ける海岸を調べるのも楽しいんです」とTさん。
エンジンルームに装着された『ラストストッパー』は、電気を流してボディのサビを抑えるというアイテム。車体への塩害が大きいという沖縄でのカーライフを考慮して装着しているという。
ラゲッジスペースにはラグマットを敷いてドレスアップ。ルーフには釣り竿を収納するためのレールをホームセンターで購入したイレクターパイプでDIY。がっちり固定するよりも多少遊びを設けたほうが釣り竿へのダメージが少ないため、固定具合を調整できるのが自作の強みなんだとか。
これらの装備は最近始めたという夜釣りの趣味のために揃えたもの。「ジムニー乗りとは別の職場の先輩から誘われて始めました。これまで絶対ハマるからと誘いは断ってきたんですが、やってみたら案の定すっかりハマりましたね」とTさん。
堤防沿いに車内から竿を出せるスポットでの釣りがメインのため、そこでもシエラは活躍しているという。
職場を変えたことで生まれたライフスタイルの変化から、いつでも愛車と一緒に過ごすとても幸せなカーライフを手に入れるに至ったTさん。そんなシエラを横に「これからも大事に乗って、子供が大きくなったら代わりに乗ってくれるのもいいかな」と話してくれた。
取材協力:オリオンECO 美らSUNビーチ
(⽂:長谷川実路 / 撮影:平野 陽 / 編集:GAZOO編集部)
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