北海道に住む僕にとって、ジムニーはライフライン。乗れば乗るほど愛着が湧く相棒
速く走れるクルマ、見た目が好みのクルマ、自分のお財布事情と相談して購入など、クルマを選ぶ基準は人それぞれですが、今回取材した「中村さん」は“生きていくため”にジムニーを愛車として迎え入れたと話してくれました。
というのも、中村さんが住むのは冬になると1m以上の雪が積もる北海道のため。最初は興味なかったというジムニーですが、次第にそのタフさに惹かれていったそうです。
今回は、中村さん×ジムニーのお話をお届けします。
―――1m以上雪が積もるなんて、確かにタフなSUVじゃないとですよね。SUVの中でジムニーに決めたキッカケはなんですか?
実は特に深い理由はなくて、父が3代目ジムニーに乗らなくなったので譲り受けただけなんです。
私はそれまで全く四駆に興味がなくて、当時は3代目プリメーラワゴン(2.5L)にフルエアロを装着して乗っていました。だけど、車高を落としていたから冬に乗れなくてね〜。
それで、真冬は自転車通勤を強いられていたんですけど、そろそろ限界かもと感じてジムニーを新たに増車したんです。住んでいるところが北海道で極寒ですからね。
―――ま、真冬に自転車通勤……。それはそれは……
まぁ、そういう反応になりますよね(苦笑)。ジムニーは安心して冬も走れるというのを知っていたから、「ジムニーから別のクルマにするから、お前が乗るかい?」という父の申し出を、これはもってこいだと快諾したんです。
で、乗ってみると、リーフスプリングだから段差は拾うし、まっすぐ走らないし、床に穴は空いているしで最悪でした(笑)。結局、父に払った倍以上のお金を修理に注ぎ込んで、修理からの修理で9年間乗りました。
―――興味がないと仰っていましたが、9年間も乗っていたのですね。しかも、結構手を掛けながら
手をかけるなんてもんじゃないくらい、手が掛かり過ぎました!ターボ、ミッション、ナックルなど何から何まで交換していたら、終いには「もう次のを買ったら?」なんて父に言われる始末でした(笑)。
それでも乗り続けたのは、リーフスプリングのジムニーの構造がシンプルだから簡単に自分で修理することができたし、部品もたくさん出回っていたから、何とかなるというのが楽しかったんです。故障が直ると愛着もどんどん湧いていったしね。
そうやって乗っていたけど、サビが酷くなってリヤゲートが閉まらなくなるなど、手の施しようが無くなったのを機に、生誕40周年を記念して販売された“ランドベンチャー”という特別仕様車のジムニーをディーラーで購入しました。
―――おっ!ジムニーからジムニーへの乗り換えですか
やっぱりね、ジムニーって北海道の冬にもってこいなんですよ。純正車高でも腹を擦らないし、4L(4WDの低速モード)にしてやれば大抵の道はグイグイ駆け抜けていく。
住宅街に入ると、家の前に雪かき後の雪が積んであって道が狭くなるけど、それもスイスイ行けるサイズだし、方向転換も簡単に出来る小回りの利きようだから、とても使いやすいんです。
私は普段は運転がゆっくりだから、夏は後続車に「早く行け」なんて思われているかもしれないけど、冬は速いですよぉ〜(笑)。そして、それが「どうだ!」ってな感じで、快感でもあります。
こんな風に、冬に頼れるクルマだからこそ、ジムニーを選んだというのはありますね。まぁ、サスがリーフスプリングからコイルスプリングに変わったのは、ちょっと寂しいけどね。
―――ランドベンチャーが設定された頃には、もうリーフスプリングではなかったですものね
そうなんです。ならば中古を!と探したのですが、北海道は融雪剤を道に撒くから、見つけた個体はどれも下周りに錆があって、今後のことを考えて購入を断念しました。
個人的には、今でもリーフスプリングが良いなとは思いますよ。さっきも話した通り、リーフスプリングのジムニーは構造が簡単だから、山で故障しても何とか修理して家まで帰って来ることができますからね。
だけど、私のところに来てくれるのなら、大切に何年間も、同じジムニーで冬を越したいという思いがあったんです。乗り捨てじゃなくて、ずっと一緒に走っていけるジムニーとなると、やっぱり新型車だったんですよ。
なんかおもしろいですよね。もともとは、ジムニーなんて全く興味がなかったのに(笑)。でも、そう感じさせてくれるくらい、ジムニーと過ごす冬は安心感を得られました。
―――なるほど。ちなみに、現愛車のジムニーの良いところは?
ジムニー史上稀に見る丸さ、凸凹を極力なくしたフラッシュサーフェイス化されたボディ。それによる不人気具合です。こんなに可愛いのに、なぜか売れなかったんですよねぇ。
―――ふ、不人気なのが良いのですか……?
はい。ちなみに、さっき話にちょっと出てきた3代目プリメーラもそうだったんですよ。不人気車って、絶対的な数が少ないから“人と被らない”というメリットがあるし、そんなところも愛すべきポイントなのに、みんなそれに気付いてないなんて……というのが心情です(笑)。
そんな、このジムニーと何年も冬を越したいから、自分で錆スプレーを吹きかけたり、車検毎にチッピング塗装をするなどの対策や、オイル漏れなど運転していて違和感があったら、すぐに予防整備をしています。さぁ、今年の冬はどうでしょうかね。
ジムニーに魅せられたという中村さんは、今年もこのジムニーと冬を迎えます。冬に備えて、バルブが1個だったハイマウントストップランプを、5個仕様に変更したそうです。これだと、もしも1個破損したとしても、残りの4個が光るから後続車にも分かるだろうということでした。
生活を支えるクルマは、いつのまにかオーナーの心にも寄り添って、1km、また1Kkmと走行距離を伸ばしていくものなんですね。
(文:矢田部明子 写真:中村さん提供)
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