ディーラー仕立てのカスタム仕様で楽しむスイフトスポーツ
新車を購入する際に、ボディカラーやグレード、さらにはオプション装備などなど「どんな愛車にしようかな?」と、これからはじまるカーライフを思い描きながら悩む時間は、格別に楽しいものである。しかし、今回ご紹介するオーナーさんは、さらにその一歩先をいく楽しみ方を実現させているという。
今回取材するスズキ・スイフトスポーツ(ZC33S)は、エアロやホイールがアフターパーツに交換されていて、ボディサイドにはチューニングパーツメーカー・トラストのブランドロゴ『GReddy』という文字が見える。一瞬「あれ? トラストのデモカーかな?」と思ったそのクルマから降りてきたのは、オーナーの『ぐっちぃー』さんであった。
2022年に新車で購入したというこのスイフトスポーツは、エアロパーツ、サスペンション、内装、そしてエンジンを制御しているコンピュータに至るまで、ほとんどが『GReddy』製のパーツでカスタマイズされているという。しかも、車両の購入前からカスタマイズの内容を決め、車両を購入した『スズキアリーナ中和幹線橿原』でパーツの交換や取り付けを行なってもらうことにしたそうだ。
「ホントはすべてカスタム済みの状態で納車してもらおうと思っていたんですが、パーツの納期の都合などもあって、いちどクルマが納車されてから、数ヵ月のうちにパーツを装着していって頂いた感じですね」
『せっかく新車を購入したんだから、ノーマルの状態を存分に楽しんでからカスタムしていこう』といった考えのオーナーが多い中、ぐっちぃーさんは“最初からカスタム済み”が良かったのだという。
「18歳で免許を取って、最初に乗ったのは新車のアルトワークス(HA36S)でした。マニュアル車で、純正のレカロシートやメーター関係がカッコよかったことも購入の決め手になりましたね。そのクルマに数年乗って、カスタムしたりサーキットを走ったりしてみようかなと思っていた頃に事故で廃車になってしまったんです。そこで、乗り換えるクルマとして選んだのがスイフトスポーツでした」
ZC33S型のスイフトスポーツは、それまでのNAエンジンからターボエンジンへと変更されたのが大きなトピックスのひとつ。140psを発揮する1.4リッター直噴ターボエンジン(K14C)と、1トンを切る軽量ボディの組み合わせによってスポーティな走りを楽しむことができる。且つ、4ドアで室内空間も広く実用性の高さも併せ持つことで、国産のボーイスレーサーとして大人気となっている。しかも、税抜き100万円台からという価格設定で、そのコストパフォーマンスの高さにも定評がある。
実はぐっちぃーさんも、アルトワークスの走行距離が伸びてきていたことから、スイフトスポーツを増車しようと考えていたのだという。
「マニュアル車でターボエンジンだし、アフターパーツも豊富に発売されているから、色々と楽しめそうだと考えていたんです。スバルのBRZも候補にあがったんですが、BRZを買うのと同じくらいの金額で、スイフトスポーツだったらマフラーやオイルクーラーを交換できるんですね。それに、弟や家族も乗ることがあるので、後部座席への乗り降りを考えると2ドアよりも、4ドアのスイフトスポーツの方が良いかなと。将来的にファミリーカーとしても使えますからね」
こうしてアルトワークスでやろうと思っていたカスタムメニューを、スイフトスポーツで実現させるべく購入を決意したそうだ。
そうして、スズキディーラーでありながら自社でカスタムも行なっている『スズキアリーナ中和幹線橿原』にて、車両購入からカスタムパーツの装着まで、その一切を含めてオーダーしたという。
では、そのこだわりの愛車を拝見していこう。まずボディカラーは、元々『頭文字D』が好きで、黄色いFD3Sに乗るキャラクターに憧れていたということで、“チャンピオンイエロー4”を選択。エアロパーツはフロントスカートとカーボン製のリヤウイングが『GReddy』製で、スズキのカスタムパーツブランド『モンスター』製のリヤアンダースポイラーも追加。アイラインは形状に拘って『ノブレッセ』製をチョイスしたという。
サスペンション、マフラーやエアクリーナーなどの吸排気系、インタークーラー、アルミラジエター、オイルクーラー、さらにECU書き換えまで『GReddy』から発売されているスイフトスポーツ用パーツは、タービン以外ほとんど装着しているはずとのことだった。
牛丼でもラーメンでも『全部盛り』はテンションが上がるものだが、それがカスタマイズパーツとなれば、その満足感たるや相当なものに違いない。
そして、エアロパーツは自分の好みに合わせていろいろなブランドをミックスさせつつ、機能パーツは先代、先々代のスイフトスポーツから開発に力を入れ続けているグレッディ製パーツを軸にして組み立てているあたり、ぐっちぃーさんの堅実な性格が現れているのではないかと感じた。
ホイールはスポーツ系のユーザーに人気があり、定番ともなっているボルクレーシング・TE37の正常進化版『TE37サーガSプラス』の17インチを選択した。
ゆくゆくはサーキット走行も楽しみたいと考えているそうで、ECUなどによるパワーアップに合わせて強化クラッチは既に組み込み済。エンジンの状態を把握するための追加メーター類も装着しているなど、準備は万端である。
「購入してから2年ほど経過した現在の走行距離は2万kmです。乗れば楽しくて荷物も乗るし、どこにでも行けるという気持ちにさせてくれますね。ディーラーで購入して、メンテナンスもカスタムもすべてディーラーでやってもらっているので、その点も心強いです。これからはアルトワークスに乗っていた時にできなかったミーティングへの参加や、サーキット走行などにも挑戦していきたいです!」
まずは2024年4月に、はじめてとなる『イベントへの参加』を予定しているという。こういった行動範囲の広がりや新しい同士との巡り合いによって、これまで以上の醍醐味や感動など、スイフトスポーツと一緒に様々な経験を楽しく積み重ねていくことだろう。
(文: 西本尚恵 / 撮影: 平野 陽)
※許可を得て取材を行っています
取材場所:ポルトヨーロッパ(和歌山県和歌山市毛見1527)
[GAZOO編集部]
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