ビートの効いたサウンドがお気に入り レガシィツーリングワゴンで日本全国どこまでも

  • GAZOO愛車取材会の会場であるポルトヨーロッパで取材したスバル・レガシィツーリングワゴン 2.0GTスペックB

    スバル・レガシィツーリングワゴン 2.0GTスペックB

ハイブリッドカーやEVの普及により、どんどんクルマが“無音”化している昨今。昭和世代は「このクルマ、音がいいね!」と悦に入るのは珍しくなかったが、今ではクルマの購入理由としてエンジンの奏でるサウンドを挙げる人は、そう多くはないだろう。

だが『こーき』さんは、現在の愛車であるBP5型のスバルレガシィツーリングワゴン 2.0GTスペックBを買った理由を、まさに「音」と答える頼もしき平成世代。初めて耳にした時から、水平対向エンジンが奏でるボクサーサウンドの虜になっている。

余談だが、筆者が自動車メディアの世界に足を踏み入れた20年前、既に周囲では「若者のクルマ離れ」という表現が語られ始めていたように記憶している。ということは、その時に10代前半だったこーきさんも、時代が想定した「クルマから離れつつある若者」のひとりにカテゴライズされていたはず。だが、レガシィに乗る前は日産の180SXでドリフトしていたという彼の話に耳を傾けていると、これからの時代にもクルマ大好きの若者は誕生するだろうし、そのような若者をサポートしていかなければいけないと感じてた。

「もともとクルマは好きだったんですけど、本格的にハマり出したのは中学生くらい。雑誌『Option』を読んで、カッコいいクルマや速いクルマにずっと憧れていました。大学生になってクルマを買うためにバイト代を貯め始めたんですけど、本当に欲しかったのは(スカイライン)GT-Rでしたね。でも、高くて全然買えなかったので、180SXにしたというのが本当のところです(笑)」

それから180SXは4年ほど乗ったそうだが、その間にはドリフトだけでなくグリップのスポーツ走行も存分に楽しんだ。ロールバーを組んだり、LSDを入れたり、自分でできる作業は自分でやることも同時に覚えていったという。

「180SXは気に入っていたんですけど、時間とともにところどころ不調が出てきて、買い換えを考えるようになりました。次もFRに乗ろうと思っていたんですけど、釣りにもハマっていたので、荷物が積めるワゴンもいいなと興味が湧いてきました。ただ、走りを楽しむ気持ちは捨てたくなかったので、条件に合うクルマを探した結果、今のレガシィにたどり着いた感じです」

ちなみにレガシィの他に購入候補として挙がっていたのは、日産のステージアとBMWのワゴン。ステージアは憧れのRB26型直列6気筒を積んだ『オーテックバージョン260S』がいいなと思ったものの、やはり高額過ぎて断念。BMWも音がいいので気になったが、輸入車は自分でいじるのが大変そうだなという思いもあったそうだ。

「だんだん候補を絞っていった中で、水平対向エンジンに乗ってみたい気持ちが高まっていきました。それでレガシィツーリングワゴンにしたんですけど、最初はエキゾーストマニホールドが不等長だった頃のBH型とかにしようかと思っていたんです。ただ、そもそも中古車のタマがもうなくて。もう少し新しいBP型だったら色々と選ぶことができたので、一番状態が良かった今のクルマを買うことにしました」

水平対向エンジンを搭載するレガシィツーリングワゴンは、通称『ボクサーサウンド』と呼ばれる独特の排気音で知られている。特にエンジンから排ガスを吐き出すエキゾーストマニホールドの集合部までの長さが各シリンダーごとに異なっている『不等長』の場合、排ガス同士がぶつかり合う排気干渉を起こし、ゴロゴロという独特の音が強調され、それが呼び名の由来となっているわけだ。

こーきさんが購入したBP5型は、その排気干渉を防ぐために開発された『等長等爆エキゾーストマニホールド』を採用しており、不等長と比べれば独特のサウンドはやや鳴りを潜めている。

だが、水平対向エンジンが直列エンジンやV型エンジンなど、他のエンジン形式とはひと味違ったサウンドを奏でることに変わりはない。こーきさんが「初めてエンジンをかけた時の音に感動しました」と語る通り、他のクルマでは得られない個性が、そこにはあるのだ。

「実際に乗ってみて、自分のクルマが奏でる音にすっかりハマっちゃいました。なんてビートの効いた、いい音なんだろう!って(笑)。4WDも、いざ乗ってみると雨が降ろうが路面が悪かろうが自信を持って踏んでいけるし、FRとはやっぱり違いますけどコーナリングも意外にイケるなと。長距離乗っても疲れないですし、釣り道具もたくさん積めるので、本当に買って良かったなと満足しています」

社会人になってからどハマりした磯釣りを楽しむため、ロッド3本と釣果を収めるクーラーボックスなどをレガシィに積んで運ぶこーきさん。時には釣り仲間とその道具を乗せて一緒に出かけることもあるが、それでも積載性や居住性に不満を持ったことは一度もない。

「広島の山道を走ったり、石川の千里浜なぎさドライブウェイで海外線をドライブしたり、レガシィに乗ってけっこうあちこち旅行にも行きました。静岡で見た富士山はやっぱりデカかったです(笑)。奥さんを連れて関東まで遠征したこともあって、新婚旅行は千葉に行きました。それから頭文字Dが好きなので、聖地巡礼で群馬にも(笑)。その都度、やっぱりこのクルマにして良かったなと感じますね」

昨年末には待望の長女も誕生し、新たな家族と出かけるドライブも楽しみにしている。

「女の子でも、ぜひクルマ好きに育って欲しいですね(笑)。一緒にクルマに乗って、一緒にいろんなところに出かけたいです。子供と旅に出るとしたらですか? う〜ん、和歌山から徳島に行くフェリーがあるんですけど、四国一周とかしてみたいですね。愛媛と高知には行ったことがないですし、釣りを楽しめる場所もたくさんあるでしょうから」

「そういう風に思えようになったのも、レガシィのおかげかな。明らかに昔より行動範囲が広がりましたし、家族との時間もたっぷり楽しめます。子供が大きくなっても、自分がおじいちゃんになっても、ずっと乗り続けたいです」

大好きなボクサーサウンドを聴きながら、日本中を縦横無尽に駆け巡るこーきさん。その傍には愛する家族がいることだろう。クルマ離れするどころか、ずっとずっとクルマが大好きな平成世代の代表として、末長くレガシィとのカーライフを楽しんでいってもらいたい。

(文: 小林秀雄 / 撮影: 清水良太郎)

※許可を得て取材を行っています
取材場所:ポルトヨーロッパ(和歌山県和歌山市毛見1527)

[GAZOO編集部]

MORIZO on the Road