26年間33万kmを共にしてきたトヨタ・チェイサーと、これからもずっと…
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トヨタ・チェイサー ツアラーV(JZX100)
お気に入りの愛車でドライブに出かけるのは楽しい時間であり、乗り心地や操縦安定性まで快適なクルマならば、その時間や距離は自然と長くなるのものだ。
1998年9月に新車でトヨタ・チェイサー ツアラーV(JZX100)を手に入れた『もち』さんも、愛車でのドライブがつい長くなってしまいがちなタイプだという。
「このチェイサーを買ってから、遠くまで出かけようという気分になることが増えました。東京に行ったりとか、次は青森まで行ってみようとか。長距離を走っても疲れないんですよね。それ以外にも、飛ばすほどでもないですけどワインディングで走りを楽しんだり、スーパーにも行ってますし、とにかくオールマイティに乗っています」
そんな愛車の走行距離は、26年間で33万km超に達するというから驚きだ。
「免許を取って最初の頃は兄貴のお古のTE37、その後、1.4リッターのハイメカツインカムを搭載した90カローラを新車で買いました。そして30歳の頃、マイナーチェンジされたばかりのこのチェイサーを購入したんです。ハイソカーブームを見ながら育ってきたので、どうせ乗るなら2ドアよりも4セダンのマニュアル車に乗りたいなと思っていました」
「この型のチェイサーはパワーが280psもあって、デザイン的にも良いなって思っていたんです。ちょうどその頃、環境問題の話なんかが出てきていて、今後はこういうクルマは買えなくなっていくのかもという雰囲気があったんです。そんなこともあって、頑張ったら届く金額ではあったので、この機会に買っておこう! と購入を決断しました」
マークIIの兄弟車として、クレスタと共に『3兄弟』と呼ばれたチェイサー。もちさんが乗るJZX100型は、1977年に発売された初代モデルから数えて6代目にあたるモデル。
ラグジュアリーモデルの『アバンテ』や、さらに高級感を高めた特別仕様車の『グランドパッケージ』などがラインアップされていた一方で、当時の自主規制上限である280psを発揮する2.5リッターターボエンジ1JZ-GTEを搭載したスポーツモデルの『ツアラーV』も設定され大人気となった。
もちさんは最初から1JZターボを搭載した5速マニュアルのツアラーVを買う気満々だったそうだが「ディーラーで見積もりを作ってもらったら、そこに『4AT』って書いてあったんですよ。『ATちゃうで5速にして』って言ったら、『ほんまにMTですか!?』って念押されてね。さらに10日くらいしてから営業マンから念押しの電話がきて、納車のときも『MTで良かったんですよね?』と確認されました(笑)。当時はオートマを買う人が多かったんでしょうね」という、想い出深いエピソードも。
「いまだに東京とか遊びにいっても、燃費がリッター13kmくらいまでいくんですよ。東京に着いた時に満タンにして、そこから遊びまわって大阪まで帰ってくることができるんです。低燃費運転している訳でもなく、普通に走っているんだけど、馬力とトルクが大きいので、アクセルを大きく踏み込まなくていいから燃費が良いのかもしれませんね。高速道路の合流でもすんなり入っていくことができるし、デザインも走りも含めて、全て気に入っています」
と、長年共にしてきた相棒に大満足の様子であった。
そんな愛車のこだわりポイントを伺ってみると、エアロはリップ含め買った時から装着済みの純正オプションで、妻の意見で変えたというフロントグリル以外は当時の状態を保っているという。
「最初はリヤまわりが『ちょっとデザイン的に空白があるかな?』と思っていたんですけど、今となってみればそれもイイ感じ! って思えていますね」
「このクルマ、高速道路のパーキング等に停めていると、年配の人から『懐かしいですねー』って声を掛けられたり、若者からも『やっぱりカッコいいですね』って言ってもらえることがあるんですよ」
また、これだけの距離を走ってきたのだからトラブルなども経験しているのでは? というのも気になるところ。
「大きい修理といえば、オイルが漏れてきたところがあって、どうせやるなら全部変えようってことでオイルシールをフル交換しました。定番のタイミングベルトも2回交換していて、もうすぐ3回目ってかんじですね。あとは何年か前にエンジンチェックランプが付いて、何かな? と言っているうちにクーラーが効かないようになって、そのうちにアイドリングまで不安定になってきちゃって…。原因はECUだったみたいで、交換したら全部直りました。それから、数年ほど前から時計の表示が消えていたので部品交換してもらったという程度ですね。CDもMDも当時モノがそのまま付いていますよ」
キーホルダーも、26年前にこのチェイサーを買った時にディーラーがサービスでくれたものを使い続けているという。
洗車は毎週で、ワックスは2週間に2回くらい。ワックスはハイソカーブームの時に流行っていたシェアラスターを愛用。車検やオイル交換などの基本的なメンテナンスは、友人のクルマ屋さんにお願いしているそうだ。
「その友人が言ってくれた『古くなったらいろいろトラブルが出てくるから、ひとつ調子が悪くなったら周辺も全部サラ(新品)に交換した方がええで』というアドバイスのお陰もあって、ここまで順調に乗り続けることができているのかなって思っています」
アドバイスに従って、古くなった部品は新品が手に入るうちに交換しておくことを心がけているそうで、手に入らなくなりそうな部品は事前に購入してストックしているというもちさん。
愛車と共に楽しく、そして長く乗り続けるためには、もちさんと仲良しな奥様と的確なアドバイスをくれる主治医の存在はとても重要なのである。
ちなみに奥さまは、このチェイサーに乗れるように以前所有していたカローラでマニュアルミッションの練習をしたというが「最近は気を遣って乗っていないんです。壊したら怒られそうなので(笑)」とのこと。
ちなみに奥様と共にオートバイの趣味も楽しんでいるというもちさん。
「2人でどこかに出かけるときはチェイサーを使うんですよね。オートバイで一緒に出かけるのはオートバイのイベントの時くらいかな? とくに夏は暑いですからね~(笑)」と、ここでもチェイサーの快適さがバイクを上回っているようだ。
「26年間ずっとこれ1台。日常の相棒として普通に居てくれる存在です。コレに乗っちゃうと、ほんま他に欲しいクルマがないなって実感するんですよ。ちょっと大きい買い物したら荷物が入らへんなぁという事はあったけど、その程度は乗り変える理由にはならないですしね」
もちさんがチェイサーと一緒に走る時間も距離も、まだまだ伸びていくに違いない。
(文: 西本尚恵 / 撮影: 平野 陽)
※許可を得て取材を行っています
取材場所:ポルトヨーロッパ(和歌山県和歌山市毛見1527)
[GAZOO編集部]
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