18歳の青年が乗る ブルーバード。自分と似ているという、そのクルマを選んだ理由は?

  • 日産・ブルーバードとオーナーの渋川さん

高校3年生の時、免許を取る前に ブルーバード の試乗に行き、助手席で乗り心地を体感したという渋川さん。
現在、渋川さんは晴れてその ブルーバード のオーナーになり、4ヶ月が経とうとしています。

自分のものになったばかりの愛車を見ると、思わず頬が緩んでしまうそうです。今回は、初めての愛車にブルーバードを選んだ18歳の青年のお話です。

――ブルーバードを選ぶというのが、渋いですね!とっても似合ってます!!

  • 日産・ブルーバードのリア

ありがとうございます。嬉しいことに、渋いクルマに乗ってるねと話しかけられることもあります。
ほかには、昔乗ってたんだよ~とか、懐かしいねぇ~とか。

だけど……、学校に乗って行くと、見向きもされないんです(笑)。
自動車整備士を養成する短大に通っているのですが、みんな、マーチ12SRとか、インプレッサのMT車みたいなタイプのクルマに乗っていて、僕のジャンルのクルマがあまりいないんです。

こんなにカッコイイのに、見てあげて……と、ちょっとだけ思ってしまいます(笑)。

ちなみにこれ、納車された時も思いました。ブルーバードって、派手で目立つ訳でもなく、普通のクルマなんです。とくに、僕のは“プラチナシルバーメタリック”というボディカラーなので、なおいっそう目立たない(笑)!

だから?というのがあるのか、納車された日も誰にも見てもらえなくて、ちょっと残念な気持ちになりました(笑)。

すごく良いクルマなんですけど、地味ゆえに、本当のこのクルマの価値が伝わりにくいのかな?と思っています。

――例えば、どういう所が“良いクルマ”だと感じますか?

  • 日産・ブルーバードの右フロント

まずは、エンジンですね!プリメーラとかシルビアと同じ、2ℓのSR20DE型のエンジンを積んでいて速いんです。

高い音を出しながら高回転まで回るし、加速もスムーズ。車体が重いのでコーナーはズルズルする感じがあるけど、ハンドリング性能やアクセルレスポンスはキレキレでスポーティーな走りをしてくれます。

ここも良くて!一見普通に見えるのに、実は速いというのが、カッコイイじゃないですか。僕的には、“羊の皮を被ったおおかみ”だと思っています。

――“実は速い”か。あえてそう見せていない所に美学を感じるわけですね。

  • 日産・ブルーバードのエンブレム
  • 日産・ブルーバードのグリル

そうです。“目立たない所”も、このクルマの良い所だと思っているんです。

僕が前期型を選んだのはそれが理由で、後期型だとグリルの中やホイールにブルーバードのエンブレムがあって、キラキラした感じになってしまうんです。

それよりも、ボンネットの所にちょこんとエンブレムがあるような、主張し過ぎない感じがすごく素敵だなと思ったんですよね。

――そう言っておきながら、数ヶ月後には派手なウイングとか付けてるかもしれませんよ(笑)。

あはは(笑)。そうなってたら、自分でもビックリですが……、それは無いかなぁ。

納車して3ヶ月しか経っていないので、これからどんどんカスタムしていきたいなと思っているのですが、自分の中で1つ決めたコンセプトがあるんです。

それは、“おじいちゃんが新しいクルマに乗り換えたけど、前のクルマの部品を流用しつつノーマルで大事に乗っている感”を出すことです。

――あの……、そのコンセプトってどういう風に表現するので

  • 日産・ブルーバードのホイール
  • 日産・ブルーバードのインテリア
  • 日産・ブルーバードのJAFバッヂ
  • 日産・ブルーバードの左リア

初代セレナのオプション品である、メッシュホイールを装着してみました。BBSなどのオシャレなものではなくて、あえて純正品を使っているというのがミソだと思っているんです。

――ということは……、おじいちゃんが前に乗っていたクルマは セレナ ですね!

そういうことになりますね(笑)。ほかには、フロントグリルにJAFバッチ、助手席側のダッシュボードに、ブルーバードのエンブレムを付けるとおじいちゃん感が出るなと思ったので貼りました。

内装は、紺色のシートやグレーハンドルが、いかにも90年代っぽくてエモいので、この世界観を崩さずに手を加えていきたいんです。だから、次は白いレースのシートカバーを付けようと思っています。

――タクシーとかに付いてる白のレースですよね?確かに、あれはおじいちゃん感でます!

出ますよね!だけど、“シートカバー”で検索しても、全然出てこなくて……。レザーのシートとかはあるんですけど、白いレースカバーは全くないんです……。
もう、作るしかないのかもしれないですね(笑)。

――ですね(笑)。作りましょう(笑)!ちなみに、カスタムなど施しているのですか?

高速で走った時にフニャフニャしていて怖かったので、ダウンサスを入れました。ついでに、渋いかなと思ったので、車高も4cmくらい落としました。と、これくらいで、基本的にはノーマルのまま乗っていこうと思っているんです。

コンセプト通りに(笑)!

――そうでしたね!おじいちゃんでしたよね!

そうです(笑)。

――最後に、ブルーバードは渋川さんにとってどんな存在か教えて下さい。

もう1人の自分だと思います。僕って、目立たない感じの人間なんです。陽キャでもないし、陰キャでもない。派手でもないし、ほんと普通なんです。だから、そこがちょっと似ているかな。

  • 日産・ブルーバードのオーナーの渋川さん

そう答えてくれた渋川さん。でも、果たして本当にそうなんでしょうか?

“普通”という意味合いは沢山あるけど、自分の好きなクルマに乗り、やりたい道に進もうとしている渋川さんは、筆者の目にはとても個性的に感じたのでした。

「一見普通に見えるのに、実は速いというのが、ブルーバードのカッコイイ所です」と話していましたが、その部分こそ、渋川さんとブルーバードはよく似ている気がしました。

このまま長く乗り続けて、将来は孫と一緒にドライブがしたいという渋川さん。その頃には、また違う答えを聞かせてくれることでしょう。

(文:矢田部明子)

[GAZOO編集部]

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