子供の頃に憧れた、コラムシフト&べンチシートのY30グロリアに乗って
鉄道員だったお父様は、クルマの免許を持っていなかったという「もとあき」さん。お父様の影響で電車も好きだったそうですが、クルマの方がより好きで、クルマ好きとなったきっかけの1つが西部警察だったそうです。
そんなもとあきさんが、Y30グロリアを2020年9月に愛車として迎え入れた理由や愛車のおかげで充実したというカーライフを伺いました。
今回は、もとあきさん×グロリアのお話をお届けします。
――旧車オーナーさんに取材をすると「西部警察に憧れて」という方が沢山いらっしやるので、私も第1話から見始めたところです
あはは(笑)。確かに、我々世代には西部警察好きが多いと思いますよ。放送日の次の日に学校に行くと、教室はその話題で持ちきりになるくらいみんなが見ていましたから(笑)。ちなみに、Y30はドラマ終盤にハードトップが登場していました。
――じゃあ、もとあきさんも西部警察のグロリアに憧れて……というロですか?
それも理由の1つですが、クルマの免許を取得してから、いつかは“コラムシ フト”で“べンチシート”のクルマに乗りたい!という夢があったから購入しました。いつかは「クラウン」的な……(笑)。
だけど、昔はコラムシフトでべンチシートの組合せが不人気だったから、残っている台数が少なくてね。でも、どうしても諦められなくて、埼玉から兵庫まで新幹線に乗って探しに行ったこともありましたよ。
――なぜ、そこまでこだわるのですか?
私の父は免許を持っていなかったので、クルマに乗るのはタクシーに乗る時くらいだったんです。その時は、セドリックのタクシーを好んで乗り、乗り込んでからは、後席から運転手さんがコラムシフトを操作する姿を食い入るように見つめていました。
カチャっとシフトを動かしてハンドルを切る姿がカッコよくて、すごく憧れたのを覚えています。その当時のタクシーは、大体コラムシフトでべンチシートが定番だったから、そういう子供の頃の憧れのクルマに乗りたかったというのがありますね。
また、タクシー然り商用車など、飾りっ気のないグレードが好きなんですよ。低ければ低いほど良くて、グロリアならデラックスやスタンダードが本当は良いくらいなんです。現存しているデラックスがオークションに出るなんてほぼ無いだろうから、見つけた日には大喜びですね。
――実際に乗ってみてどうでしたか?
私のY30グロリアは、デュアルシートといって前に3人座れるんですけど、真ん中の人のシートベルトが無いんです。安全性の面から今では考えられない構造だけど、ある意味これが当時っぽくて素敵だなと(笑)。
あとは、真ん中のアームレストを倒すと、今時のクルマのようにパタンと下がるのではなく、ウイングが付いているため一旦上がって円を描くように下がるという機構も特徴的で好きです。
他にも、席が分かれていないから真ん中にカバンが置けて扱いやすいし、何より良いのは、昔憧れていたクルマのハンドルを握ることで幸せな気持ちになれるところかな。乗っていくうちにどんどん愛着が湧いてくるんですよね。
――どんなクルマも、そう思えることが1番大事だと私は思っています。ところで、2020年頃といえばちょうど旧車ブームの始まりでしたが、どういった経緯で手に入れたのですか?
妻を助手席に乗せて運転していると、とある日産ディーラーの前を通り過ぎた時に「カッコいいクルマがあったよ!あのクルマ何!?」と聞いてきたんです。
運転席側からは見えなかったけど、そもそもディーラー系の中古車店に旧車が置いてあるなどと思ってもいないので、大した期待もせず用事を済ませてその店に立ち寄ってみると、このY30グロリアが置いてあったというわけです。しかも、コラムATでベンチシート!
なんでも店長さんが旧車好きで、ほかにもY30グロリアのワゴン、レパード、フェアレディZ等が置いてありました。また、妻が茶色だった気がすると言っていたボディーカラーは、近くに寄って見てみるとワインレッドでした。前と後ろが長くて角ばっているスタイルも好みのセダンらしいセダンだったということで、僕もですけど妻も良いね!ということになってほぼ即決しました。
――なんだか、そこのディーラーを応援したくなっちゃいますね
旧車好きの店長さんで、今は購入した店舗から異動されて別の店舗にいらっしゃるようなので、機会があれば紹介したいです(笑)♪
購入した時はフェンダーミラーが、おそらく510ブルーバード(?)のミラーで、ホイールはボディーカラーに合わせた赤っぽい物と、オリジナルからはかけ離れていましたが、私が所有してからは、出来る限りカタログに掲載されているオリジナルに近づけるようなカスタムをしています。
――その理由は?
若い頃はスポイラーを付けたり、アルミホイールを履かせたり、車高を下げたり等々のカスタムをすることで自分らしさを表現して満足していましたが、歳を重ねるにつれて、オリジナルが1番カッコ良いのでは、と自分は思うようになったんです。
クルマをデザインされた方への、リスペクトというやつですかね(笑)。だからこそ、オリジナルにこだわるようになったのかもしれません。なので、このY30グロリアは出来るだけカタログに載っている形で乗り続け、もし、変えるとしても、ホイールキャップを外して鉄ちんをむき出しにするくらいかなぁ〜。
――最後に質問ですが、愛車として迎え入れて大満足ですか?
そうですね。このクルマを所有したことで、同じ趣味を持った人と繋がることが出来たし、日本を築き上げてきたクルマと出会う機会も増えました。色々なイベントにも誘って頂き、イベントに行くようになり、妻がクルマ好きになったのも大きな収穫です(笑)。
妻はクルマの写真を撮ることが楽しくなってきたそうで、イベントへは2人で行くことも多くなったんですよ。こういった人との出会いや繋がり、なにより愛車を大切にして、これからも自分らしいカーライフを送っていきたいと思っています。
そう話してくれたもとあきさん。今後も奥様とのドライブや、仲間との旧車ライフを楽しんでいきたいということでした。これからも大切に、コラムシフトをガチャっとやりながら、Y30グロリアと走ってください♪
(文:矢田部明子 写真:もとあきさん提供)
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