やりすぎない程度がちょうどいい。新車購入した86(ZN6)を自分仕様にライトチューン!

  • トヨタ・86

3月19日に鈴鹿サーキットで開催された「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook」の開幕戦にて、GAZOO.comの2023年のスーパー耐久連載企画がスタートした。

これまでチームやドライバーのみなさん取材の取材記事を通じてスーパー耐久の魅力をお届けしてきたが、2023年はスーパー耐久ファンの方々にも喜んでもらえるような企画をお届けしていきたい。

その一つが「GAZOO.com愛車ピットツアー」だ。
滅多に入ることができないチームのピット内で間近にレーシングカーを見たり、ドライバーやチームスタッフとコミュニケーションしていただけるスペシャルな企画だ。

そして、もう一つはサーキットでプロカメラマンによる愛車の撮影、そして愛車取材をすること。
レースを観に来て愛車もプロカメラマンに撮影してもらえるという一石二鳥(!?)な企画を通じて、素敵な愛車ライフとレース観戦の楽しさもお届けしていけたらと思う。

それでは、早速お一人目をお届けしよう。

  • トヨタ・86とオーナーの加藤邦明さん

「1時間くらいで鈴鹿に来ることができるので、SUPER GTを年1回くらい観戦するのが楽しみです!」

という愛知県豊田市在住の加藤邦明さん(56歳)は、クルマは子供のころから好きで、現在はトヨタ86(ZN6)のオーナー。

「これまでも仕事柄、結婚する前はMR2やGZ20のソアラ、ST185セリカなどのトヨタ車に乗っていて、子供が産まれてからはエスティマに乗っていました。ですがふたりの子供も大きくなったので、そろそろトヨタ車で自分の好きなスポーツカーをと、6年前にこのクルマを新車で購入したんですよ」

  • トヨタ・86のフロントタイヤ
  • トヨタ・86のリアスポイラー

加藤さんが購入したのはマイナーチェンジ後となる2017式のトヨタ86(ZN6)で、グレードはリヤスポイラーなどが追加されているGTリミテッドパフォーマンスパッケージでAT仕様だ。

「オートマ車にしたのは通勤で使うからというのもありますが、パドルシフトがいい感じにエンジン回転をあげてシフトチェンジしてくれるのがおもしろくて。いまのレーシングカーってセミオートマじゃないですか。あの感じがこのクルマでも出せるんですよ」

  • トヨタ・86の運転席

AT車でレーシングカー感覚のシフト操作が楽しめるのは確かに大きな魅力。そしてそんな加藤さん、実は購入してから1年はノーマルのまま乗ると決めていたという。

「1年乗ってみて何が欲しいかなと考えて、一番最初は中間トルクの谷をフラットにしたいとエキパイを変えて、次に音がほしいなとマフラーの後出口を変えました。

その後、足まわりをしっかりさせたいなと車高調を入れたらボディがぎゅぎゅう言うので前後のタワーバーやフロア補強、スタビライザーで剛性をあげる形で5、6年かけて楽しみながらいじってきました」

  • トヨタ・86のスタビライザー
  • トヨタ・86のエンジンルーム

こうして少しずつ自分が乗って楽しい愛車に育ててきた加藤さん。そうなると気になる今後のカスタムの予定だが、そこは意外な返答が!

「これで終わりです。ぱっと見エアロパーツも付いてないじゃんと思われるけど、それもやりだすとコテコテになっちゃいますから。昔はそれを喜んでやっていましたがこの年になるとまあいいかなって(笑)。あえて言うならパワーが欲しいけど、競技をやるわけではないので…」

現在は通勤やドライブ以外にも「せっかくこういうクルマに乗っているから」と月に1度ほど近場の幸田サーキットでスポーツ走行も楽しんでいるという加藤さん。

「もう5、6年乗ると65歳が見えてくるし、今後もずっとこの86を乗ろうかなと思っています」と笑顔で語ってくれた。

  • トヨタ・86のリアビュー

加藤さんとお話させていただいている中で、コツコツとライトチューンを重ねて仕上げたこの86が、本当にご自身にとってベストな仕様なのだと改めて感じた。

そして、これからも加藤さんのカーライフを楽しく彩る存在であり続けることだろう。

(文:西本尚恵 写真:土屋勇人)