あなたは、クルマを走らせる喜びをどこに感じる?僕なりのユーノスロードスターの走り方
子供の頃に、1度は乗ってみたいなと思っていたユーノスロードスターを愛車として迎え入れた「河江さん」。住んでいる市内にある専門店に、たまたま状態の良い個体が見つかり、今こそいくべきだ!と購入したと話してくれました。
ネオクラシックカーど真ん中の、1989年に登場した初代ユーノスロードスターは、やはり最高のクルマだったとのこと。
今回は、河江さん×ユーノスロードスターのお話をお届けします。
――なぜ、ユーノスロードスターが良いと思ったのですか?
コンパクトで走りが楽しそうで、なおかつ気軽に乗れそうだったからですね。
当時、この手のクルマって何車種かあったんですけど、ユーノスロードスターは僕の中でピュアに走りが楽しめそうという印象があったんです。だから、乗りたいなと思っていました。
――実際に乗ってみてどうでしたか?
まず、オープンカーならではの爽快感、風との一体感が最高でした。もともとZ33型フェアレディZのロードスターに乗っていたことがあったりと、屋根が開くクルマが好きなんですよ。
開放感があるというか……、もはや見渡せば空だし、車内にいるというよりは歩いている時の感覚で移動できるのが、改めて楽しかったです。
――そういえば、オープンカーと言ったら夏だろ!と海沿いを走ったら、炎天下のせいで具合が悪くなったことがあったなぁ……。河江さんって、そういうのありませんでしたか?
夏は絶対に開けちゃダメだよ(笑)。あと、オープンにして走っていたら、急に天気が崩れて雨が降ってきたとかね。あれはオープンカーあるあるだよなぁ〜。
ちなみに、僕がオススメするオープンカー日和は、冬なんです。暖房をつけて乗ると、足元は暖かくて顔にあたる風は冷たくてと、露天風呂に入っているあの感覚を味わえますよ。
オープンにしても意外と車内に風は入ってこなくて、巻き込んだ風だけ顔を触っていくといった感じだから、俄然寒くなってから開けるのが良いと思います。
――おおお!次に乗る機会があったらやってみます!オープン以外に、良かったところはありますか?
クルマが人に合わせるんじゃなく、人がクルマに合わせて走らなくてはいけない所ですかね。
ユーノスって、速いわけじゃないんですよ。だけど、性能を引き出して走らせてあげると、意外に元気よく走ったりしてくれるんです。
まるで、真剣に向き合え!ちゃんと理解して走ってよ!と言っているようで(笑)、そこが好きです。
今のクルマは制御がかかってるから、純粋なクルマの走りが分からないし、この感覚は貴重だなと思いますね。
――手のかかる子ほど可愛い♡というやつですか。
いや、ワガママなだけなんです。父がスバル360に乗っているんですけど、あれを手のかかるクルマというと思うんです。あれほど身体能力が試されるクルマはなかなかないと思う……。
ユーノスはサーキット走行も出来ますし、まだまだ可愛いものですよ。
――サーキット走行をしてみてどうでしたか?
ちょうど良い具合に、力が足りないのが面白かったです。だから、自分が扱える範囲内で、自分の力量の下で操っているから、意のままにクルマが動いているように感じるんですよ。
クルマが上回ってしまうとコースアウト、ちょうどいい具合に操っていると少しずつタイムが上がっていく。結果が如実だから、ここもまた面白いポイントでしたね。
ただ、クルマの限界を感じてしまう時もありますけどね(笑)。
――なるほど。速さだけではない楽しさ、ということですね
はい。今どきのクルマは、クルマ側が能動的にカバーしてくれちゃうので、これは古いクルマの楽しさかもしれませんね。
もっというと、新型車は本来の限界を知ることができないので、そこはあまりいいことではないとも思っています。クルマがカバーしてくれるから、無理な領域でも走れちゃいますから。でも、やっぱりどこかでカバーしきれなくなるわけで……。
自動車整備をやっている友人が、「今はなぁ、リアのパッドが先に減るんだよ」って言っていて、FFばっかなのに、んなアホな……と言ったんです。
そしたら、「速度超過でカーブに入ったときに、安定して減速させるために電子制御をするとリアに介入するから、本当にそうなるんだよ」と言って、磨材の無くなったプレート見せられた時はゾッとしましたね……。
快適に走れるのも、もしかしたら良いことだけじゃないのかもしれないって。
――河江さんは、クルマとの理想の付き合い方ってありますか?
う〜ん。こういうのはどうでしょうか?
ときどき昔ながらの何もないクルマを経験する!そうすれば、普段乗る今どきの装置いっぱいのクルマのありがたさが分かるし、この走り方をしたらクルマが壊れるというのを知ることができるから、無理な走りはしなくなるのかなと。
――それ、名案です!
ですよね(笑)。クルマを走らせる歓びをどこに感じるか?は人それぞれですけど、1度古いクルマに乗ると、それはまた変わってくるかもしれません。
ホイールを自家塗装したり、シフトブーツを見様見真似で作ったり、ドラレコ装着に挑戦したりと、さまざまな経験をさせてくれたのもユーノスロードスターだと語ってくれました。
このクルマに乗って、週末のドライブに行くのが楽しみで仕方がないそうです。
(文:矢田部明子)
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