唯一無二の相棒。ホンダ・S660が新たな楽しみを連れてくる“特別な日常”
X(エックス)で目に飛び込んできた、旅愁漂う風景写真と愛車のポートレート。その写真を撮影したのが今回の主人公「しなしな」さんです。
愛車ホンダ・S660との出会いが新たな趣味を生み出し、日常を特別なものに変えてくれたと語るしなしなさん。運命的な出会いから現在までのストーリー、そしてS660の魅力についてじっくりお聞きしました。
――S660を知ったのはいつだったんですか?
高校生だった2013年に、東京モーターショーで出会いました。
他の展示車両には目もくれず、何度も人混みをかき分けて見に行ったのを覚えています。当時はコンセプトモデルだったんですが、そのスタイリッシュなデザインに心を奪われました。
――その頃からクルマがお好きだったのでしょうか?
そうですね。幼い頃からトミカのミニカーを集めるのが趣味で、パジェロやフェラーリなど、さまざまなカタチのクルマを眺めるのが楽しくて(笑)スポーツカーに限定せず、クルマそのものが好きでした。
また、両親がサーブやシトロエンなどの、個性的な輸入車に乗っていた影響もあると思います。故障でたまに“手間がかかる”のも個性や魅力のひとつであり、単なる道具ではなく相棒のような存在という部分なども、私のクルマ選びの基準につながっている気がします。
――ご両親のクルマ好きがしっかり受け継がれているのですね。購入を意識するようになったのはいつ頃ですか?
大学生になってからですね。友人のホンダ・S2000タイプSに乗せてもらったとき、VTECサウンドに感動して「ああ、国産スポーツカーっていいな」と思うようになりました。
それからカーシェアを利用してスポーツカーを試すようになり、マツダ・RX-7やロードスターなどを借りるなかで、S660の楽しさに惚れ込みました。
――S660を運転して、どんな点が特別だと思いましたか?
街中で交差点を曲がるだけでも楽しいんです。軽量なボディ、ミッドシップのおかげで、ステアリングを切るたびにS660が応えてくれる感覚が味わえるというか。「気軽に非日常が味わえるクルマって、こんな感じなんだ!」と感動しましたね。
運転の楽しさがぎゅっと詰まっていて、レンタルした後はもう、S660のことが頭から離れませんでした。 その頃から中古車サイトを眺める日々が始まりました。
――ワクワクが止まらなかったでしょうね!では、納車日のエピソードを聞かせてください
2021年1月、父に付き添ってもらいながら緊張してディーラーへ行きました。キーを渡された瞬間の興奮は忘れられません。納車当時の走行距離は9000kmほど。「α」というグレードの個体が私のもとにやってきました。
さっそくオープンにして走ったら、まさかの雨に降られて(笑)S660の幌は巻いてラゲッジスペースに収納するんです。すぐに取り出すこともできないので、結局父と苦笑いしながら雨の中を走り続けました(笑)
――印象深い納車日になりましたね(笑)では、S660を実際に走らせて感じる魅力を教えてください
最初のドライブは実家近くにある広域農道を走ったのですが、やはりミッドシップのダイレクトかつ軽やかなハンドリングは魅力的です。そしてオープンカーであることです。
ただ景色を眺めるだけではなく、風や光を感じられ「その場の空気の一部になれる」という点は魅力ですね。
――お気に入りのスポットは見つかりましたか?
遠出をすることが増えて、最近では富士五湖やビーナスラインによく行きます。特にビーナスラインは、秋の早朝に走るのが気持ちいいんです。朝の澄んだ空気の中、雲海を突き抜けるように走ったときの爽快感は格別ですね!
それから、京都のクルマ好きが集まるカフェによく行きます。そのカフェを目的地に据え、奈良県の山道を通るルートがお気に入りです。実は、このカフェを教えてくれたのが、以前カーシェアでS660を貸してくれたオーナーさんなんです。
――素敵なご縁です!遠出をするきっかけって何だったんですか?
納車後しばらくは実家にクルマを置かせてもらっていたんです。定期的に帰省して乗っていたのですが、忙しくて1ヶ月間ほど乗れない期間があったんですけど、エンジンが掛からなくなってしまって…。バッテリー上がりではなくプラグのトラブルだったらしく、担当の整備士さんから「もっと乗ってあげてください」と言われました。
この故障をきっかけに、週一ペースで長距離ドライブをするようになりました。自宅の近くに立体駐車場も借りています。いたずらや盗難、雹(ひょう)害から守るためです。
――駐車環境は大切ですよね。週一ペースでドライブということは、かなり頻度が増えましたね!
土日のどちらかはドライブ三昧の日になってますね!ドライブスポットを探索したり、長距離ドライブを楽しんだりしています。
元々カフェ巡りが好きだったので、遠方にあるカフェにも訪れることができるようになりました。お店を探したり、ドライブプランを考えたりするのがすごく楽しいですね。
――聞いているこちらも、なんだかワクワクします!愛車のフォルムが際立つ美しい写真も、やはりきっかけは…?
はい!愛車をきれいに撮りたくてカメラも趣味になりました。しばらくはスマートフォンで撮っていたんですが、今はSONYのα7 IIIを使っています。旅先の風景と一緒に愛車を撮影することが楽しくて、旅行の楽しみもグッと広がりました。
――ちなみに、愛車をかっこよく撮影するコツはありますか?
王道の構図とは違う構図になるように工夫しています。愛車が映える構図を研究するのも楽しみのひとつですね。
――愛車のディテールもよく撮影されていますよね。気に入っているポイントはどこですか?
まずは遠くから見てもわかる全体のフォルム。ヘッドライトの造形、ステアリングの形状、ドア部分のカーボン調パネルも好きですね。そして内装の質感が好きです。レザーの手触りが心地良いんです。
――そんな愛車と、この先の予定はいかがですか?
近いうちに、足回りやホイールを少しずつカスタムしたいと考えています。内装も、ゆくゆくはモノトーンに統一できたらと思っています。
そういえば最近、鈴鹿サーキットで開催されたホンダ車のみのミーティングに初めて参加しました。NSXやS2000のオーナーさんと交流することができ、皆さん良い方ばかりで、すごく楽しくて。
そんなオーナーの皆さんの個性豊かなカスタムも素敵だったんですよ。私も、より自分らしいS660に仕上げたいと思っています。
――ますます自分色に染まる愛車への思いを、あらためてお聞かせください
あっという間に5万キロ以上走ってしまいました。まさか自分がS660を所有する未来が待っているなんて、思いもしませんでした。
ある日、ふと思うことがあるんですよ。「ホンダS660がなかったら、私の生活はどんなふうだっただろう?」と。こんなに毎日を楽しめただろうかという気持ちになるんです。
唯一無二のデザインとドライブフィール。このクルマなしの生活はもう考えられません。「壊れずにいてくれてありがとう」という感謝の気持ちを忘れずに、S660との日々を過ごしていきたいですね。
「非日常」が一時の刺激や気分転換を楽しむものだとすれば、S660がもたらしてくれるのは「日常の中で特別な瞬間を重ねていく体験」なのかもしれません。何気ない時間が少しずつ色づき「特別な日常」を積み重ねていくようなカーライフ。しなしなさんとS660との物語は、これからも輝きを増していくことでしょう。
しなしなさん
【X】 https://x.com/m2Pho_S660
【Instagram】 https://www.instagram.com/m2pho_s660/
(文:野鶴美和)
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