僕の愛車は緑の「コペル ボニート」。見た目のためなら「走る苦しみ」もなんのその!
「これって、何のクルマですか?」と聞かれることは、日常茶飯事だと話してくれた「ちくわさん」。日産 マーチだと回答すると、「輸入車かと思った!」「見たことないです!」というリアクションをされることが多いとのこと。
正体は、ミヤセ自動車という会社の、マーチをベースにしたオリジナルカー “コペル ボニート”というクルマだそうです。
今回は、ちくわさん×コペル ボニートのお話をお届けします。
―――まずは、車両の説明からお願い致します。
ミヤセ自動車という会社が、日産マーチK11型をベースに、バンデンプラ(バンデン・プラ)プリンセスADO16のレプリカとして販売したクルマです。イギリス独特のクラシックな雰囲気が漂っていますが、歴とした日本車なんですよ。
―――恥ずかしながら、取材をするまでこういったクルマがあることを知りませんでした。
僕も初めて見るまで知りませんでした(笑)。
―――えっ!?そうなんですか!?
見つけた時は、何だこのクルマ!?って、2度見しちゃいましたもん(笑)。
―――じゃあ、コペルボニートを知るキッカケは何だったのですか?
最初は、同じくマーチがベースで光岡自動車が作っている“ビュート”を中古で探していたんです。そうすると、ベースが一緒だからなのか、ボニートが出てきたんですよ。
で、あれ? これビュートじゃないよな? 待てよ……光岡自動車じゃない、もう1個の何かがあるぞ! みたいな感じで、その存在を知りました。
未確認生物を発見した的な気持ちになって、パソコンの前で胸が高鳴ったのを今でも覚えています(笑)。
―――あはは(笑)!その気持ち、何となく分かります(笑)!
でしょ〜! ビュートじゃなくてボニートを選んだのは、変なクルマが好きだからです。親父がそういうクルマが好きで、街を走ると、あれ?って振り返られるような、違和感のあるクルマに僕も乗りたいと子供の頃から思っていたんです。
ボニートはもう製造されていませんし、販売台数もかなり少ないから、1度も同じクルマとすれ違ったことはありません。そういった点でも、買って良かったなと満足しています。
―――なるほど♪ちなみに、どこが1番のお気に入りポイントですか?
まずは、僕の大好きな緑のボディカラーですね。
―――深みがあって、偏光発色していて、独特なカラーリングですよね。もしかして、オーダー色ですか?
そう言って頂くことが多いんですけど、純正色なんです。
ボンネットを開けたときに、エンジンルーム内側とボディーが同じ色が良いというこだわりがあるから、この個体に出会えたのは本当にラッキーだし、緑を褒めてもらえるとすごく嬉しいです♪
―――ほかに、お気に入りポイントはありますか?
ん〜、沢山あって迷いますが、テールランプですね。もともとは、イギリス車MGBの最終型テールが付いていたんですけど、最初期型に変えたんです。そうすることで、蒲鉾っぽい形がシュッとしたスタイリッシュなデザインになって、後ろからの印象はかなり変わりましたね。
あとは、デザインとは関係ないけど“いじりやすいこと”ですね。
―――中身はマーチですもんね♪
そうそう!90年代のクルマって、流用できる部品がかなり多いんですよ。例えば、ロータスのエスプリと、レビンのテールランプが流用出来たりとかね。
全体的に見て、日産車は流用出来るパーツがとくに多いです。何が流用出来るのかを見つけるのが面白いし、想像しながらクルマを仕上げていくのはもっと楽しいですよ。
以上の理由から、修理もしやすいです。購入したときからオイル漏れなどのトラブルに悩まされましたが、部品も出るし何とかなりましたからね。整備士をしているので、もちろん知識もありますし♪
ただ、見た目重視で車高調を入れたのは失敗したなぁ。乗ってると、ガタガタごとごとみたいな感じになっちゃって、最悪とまではいかないけど不快というか、気になるというか……。
―――ようは、自分で自分の首を絞めちゃった的な感じ、ですね(笑)。
ははは……(笑)。
でも、見た目のためなら、“走る喜びじゃなくて、走る苦しみ”をとるタイプだから良しとしてます。純正比で50kg重くなってるから、燃費もマーチとは思えないほど悪いけど、これぞ“走る苦しみ”! これが、僕のカーライフだ! みたいなね(笑)。
―――あはは(笑)! 走る苦しみって! というか、もう販売していないから、中身よりボディの破損の方が心配ですよね?
そうなんですよ。愛車になってから6年が経ったんですけど、ぶつけたらおしまいだと、日々ドキドキしながら運転しています(笑)。1度、段差でガチャってやって以来、緊張しながらアクセルを踏み、ハンドルを切るみたいな。
―――まさに、走る苦しみだ!
あはは(笑)!確かにそうですね。
何でわざわざ?と思う人もいるかもしれないけど、やっぱり僕はこういうクルマに乗りたいんですよ。乗って楽しめるクルマがいい!ちょっと変な、そんなクルマが。
最終目標は、マニュアル化をすることだと教えてくれた ちくわさん。コペル ボニートの個性を活かしつつ、さらに唯一無二の存在に仕上げていくということです。
ちくわさんの理想とする、”ちょっと変なクルマ”まで、まだまだ先は長そうです♪
【Instagram】
ちくわさん
(文:矢田部明子)
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