【連載全16話】第13話 日産マーチ スーパーターボ…日本生まれのホットハッチ特集

2020年9月の発売以来、トヨタの高性能ハッチバック「GRヤリス」が人気を集めています。そこで今回は、クルマ好きの記憶に残る日本生まれの“ホットハッチ”16車種をピックアップ。週替わりで紹介します。

日産マーチ スーパーターボ

1982年に、日産としては初代チェリー以来となるリッターカーとして登場した初代マーチ。ジウジアーロが原案を手がけた3ドアハッチバックボディー(後に5ドアも追加)に、日産としては初めてアルミブロックを採用した軽量設計の1リッター直4 SOHCエンジンを搭載。後にレース界と深い関係になる歌手で俳優の近藤真彦をイメージキャクターに迎え「マッチのマーチ」をキャッチコピーに掲げたプロモーションを展開した。

ライバルである2代目ダイハツ・シャレードや初代スズキ・カルタスを追うように、1985年には、3ドアボディーに標準の最高出力52PS(ネット値。以下同じ)から同76PSへとアップしたターボユニットを積んだ、高性能版のマーチ ターボを追加。1988年には、(過給係数の1.7をかけて1.6リッター以下のクラスにおさまるよう)排気量を930ccに縮小したエンジンに、機械式スーパーチャージャーとターボの複合過給を備えた競技専用車、マーチRを発表。それをベースとするロードカーが、翌1989年に追加されたスーパーターボである。

低中回転域はスーパーチャージャー、高回転域はターボチャージャーで過給するツインチャージドユニットは、当時の国産市販車のなかで最高の「1リッターあたり118PS」となる110PSのパワーと13.3kgf・mのトルクを発生。5段MTと標準装備のビスカス式LSDを介しての走りは“じゃじゃ馬”そのものだったが、パフォーマンス自体はランチア・デルタHFインテグラーレに匹敵すると自動車専門誌で評された。それから30年以上を経た今なお、日本車史上唯一のツインチャージドエンジン搭載市販車となっている。

[ガズー編集部]

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