純正、そしてノーマルにこだわりとプライドを。2003年式 トヨタ セルシオ eR仕様
「セルシオ」というクルマがデビューする前と後では、日本車はもちろんのこと、海外の高級車の在り方すら変えてしまったことは確かです。
日本では、2006年にセルシオからレクサス LSとなり、残念ながら車名自体は消滅してしまいました。あれから20年あまり。現在でも歴代のセルシオをこよなく愛するオーナーさんはまだまだいらっしゃいます。
今回、取材させていただいたセルeRさんもそんなおひとりです。そして、改めて思いました。セルシオの車名の元となった、ラテン語で「至上、最高」の意味を表す「CELSUS(セルサス)」は伊達じゃないと。
―― まずは、セルeRさんの愛車について教えてください
愛車は「2003年式 トヨタ セルシオ eR仕様」です。手に入れてから8ヶ月、現在の走行距離は約10.1万km、私が手に入れてからは1万km走りました。
―― 生産から20年以上経ったクルマとは思えないほどの存在感です。ちなみ、クルマ好きになったのはおいくつのときでしたか?
おそらくは生まれたときからです(笑)。私の両親はクルマには興味がないんですが、私が小さい頃、祖父母がトミカを買ってくれたことが影響しているかもしれません。祖父母が買ってくれたトミカは、いまでも実家で大切に保管してありますよ!ちなみに、幼少期の頃の好みは国産スポーツカーでした。
―― 国産スポーツカーが好きだったセルeRさんが、セルシオを知ったきっかけは何でしたか?
YouTuberでセルシオオーナーの「aki326さん」の動画を観たことがきっかけです。動画を観るうちに、30型後期のセルシオの魅力に惹かれていきました。
―― 「aki326さん」のセルシオのどのあたりに魅力を感じたのですか?
オプションカラーであるプレミアムシルバーのボディカラーと、純正のハーフエアロです。純正の雰囲気に魅力を感じましたね。
―― 30型後期のセルシオを手に入れると決めてから、現在の愛車を見つけるまでどれくらい掛かりましたか?
半年くらいです。あの頃は、毎日のように中古車検索サイトでセルシオの売り物をチェックするのがルーティンになっていました。思い返してみても、何台チェックしたか覚えていないほどです。毎日、毎日セルシオのことばかり考える日々を送っていましたね(笑)。
そんな連休のある日、ふらっと販売店に行ってみたんです。そこでこのセルシオに一目惚れしてしまい、その日のうちに購入を決めました。
ブラガ製のウォールナット柄の本木目とブラックレザーのコンビステアリングやセルシオのカタログを手に入れたりして、納車日を待ちわびました。
―― 良かったですね。まさにタイミングと縁ですね。納車された日のことって覚えていますか?
覚えています。自分の人生においていちばん感動しました。初ドライブで友人とあるパーキングエリアまで行きました。
―― 一生の思い出になりましたね。セルシオを手に入れてからセルeRさんのカーライフにどのような変化がありましたか?
まず、クルマの乗り降りの際、ドアの開閉をていねいに行うようになりました。それと、週末は必ずドライブに行きます。近場だと東京ゲートブリッジによく行きますね。静岡あたりまで遠出することもあります。
一番の思い出は、去年の夏休みには札幌まで行ったことです。北海道の大地を自分の愛車で走ることは昔からの憧れだったので、ついに夢を叶えることができました。地元から札幌までの往復は1人で移動しましたが、道内は友人と巡って、気づけば3000kmくらい走っていました。
―― 3000kmはすごい!このセルシオを手に入れてから、ご自身でモディファイされた箇所を教えてください
購入時に装着されていた純正ステアリングの木目部分がひび割れしていたので、ブラガ製の本木目ハンドルに交換しました。「aki326さん」がYouTubeの動画で絶賛していたので、セルシオを契約後、真っ先に購入したアイテムです。
―― ステアリングの木目の色味が純正のパネルに合わせているのが分かります。その他に自慢できるポイントはありますか?
当時オプションカラーだったプレミアムシルバーのボディカラー、そして純正のハーフエアロが装着されている点です。純正のハーフエアロが装着されているだけで見た目がかなり変わるんです。セルシオをノーマルで乗る人が少ないイメージがあるので、私はあえてこの見た目にこだわっています。
私が知る限りでは、この組み合わせのセルシオって少ないみたいです。おかげで中古車を探す際には苦労しました。
―― あえていじらないところもこだわりなんですね。今後、愛車に対して手を加えてあげたいポイントを教えてください
ミラーのコンピューターを年次改良後のドアロックに連動するタイプに交換することと、タイヤをブリヂストンのレグノに履き替えたいです。
純正オプションを加えて行くつもりですが、突き詰めると終わりがないので(笑)、あえてこのまま完成形を決めずに維持していくつもりです。
―― 常にアップデートするところを考えるだけでも楽しいですよね。セルeRさんが愛車を維持するうえで気をつけていること、意識していることは何ですか?
現在は自宅の駐車場に青空駐車なので、週に1度は洗車を行い、乗るように心掛けています。それと、乗りつづけられるようにこまめにメンテナンスを行っています。
ただ、主治医としていたディーラーが統廃合により閉店してしまったので、新たな統合先の店舗にお世話になろうと思っています。
―― クルマに対してとても誠実に向き合っていることが伝わってきます。本当にセルシオがお好きなんですね!
セルシオという車種から離れること自体、今は考えられません。もし今後、増車するとしてもセルシオです。気になるクルマも、愛知トヨタ限定車である「トムス セルシオ V430-R」ですから(笑)。
―― セルeRさんの愛情がセルシオにも伝わっていると思いますよ!そんな大切な愛車に伝えたいメッセージをぜひ聞かせてください
愛車であるセルシオには「出会えて良かった!」と伝えたいです。私が生きる活力であり、セルシオに乗ることで生きる喜びを感じることができますし。これからも末永く乗っていきたいです!
3代目セルシオがデビューした際のカタログをめくっていくと「頂点であること。あり続けること。」というキャッチコピーが目に留まります。数あるトヨタ車のなかでも頂点に君臨するモデルであることを隠すことなく、むしろ堂々とアピールする。その確たる自信と覚悟のようなものが垣間見えます。
セルeRさんが「セルシオ」というクルマに魅せられ、そして愛車となったことは、これからのカーライフ、そして人生において得がたい経験であることは間違いないと確信しました。
あとは、日本が誇るこの素晴らしい高級車を、1日でも長く、現役のクルマとして愛でてくださることを願うばかりです。
<取材・編集 株式会社キズナノート>
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