不死鳥の如く蘇るパルサー。8歳の頃からの乗っている愛車と、走り続ける
8歳の頃に我が家にやってきた!と、嬉しそうにパルサーについて話してくれたのは、今回の取材対象者である「Wakaさん」。
おおよそ15年間の付き合いになるそうですが、古いクルマなだけに維持も大変になってきたと話してくれました。それでもパルサーに乗り続ける理由は、このクルマが家族の一員だからだとのこと。
今回は、Wakaさん×パルサー の お話をお届けします。
―――16年ですか! もう弟のような存在なのでは?
確かに、我が家歴は僕の方が8個上ですが、産まれ年はパルサーの方が早いから、さしずめ“お兄ちゃん”といったところですかね♪
後部座席に座って父が運転する姿を見ていたのに、背が大きくなって窮屈になってきたから、僕が助手席で母と妹が後席に座るようになり、今は僕の運転で両親をドライブに連れていったり、妹にはアッシー君として使われています(笑)。
そう考えると、僕の成長を見守ってくれた家族のような存在であることは間違いありません。車内にいるだけで安心するから、僕は“動く実家”なんて呼んでいます(笑)。
就職して地元を離れてしまったんですけど、週末は父、母、妹、パルサーに会うために、なるべく帰省するようにしているんです。
―――そもそも、なぜパルサーセリエを購入することになったのですか?
父はもともとパルサーGTI-Rに乗っていたんですけど、僕が大きくなってきたから使い勝手の良いクルマに買い替えようということで、パルサーセリエS-RVエアロセレクションを購入したそうです。
―――そういった理由だとミニバンに乗り替える人が多いのに、なかなかマニアックなお父様ですね
でしょ(笑)?ちなみに、ミニバンに乗り替えなかったのは、母がマニュアル車しか乗れないというのもあったからです。買い替えを検討した2009年当時は既にオートマが主流で、新車ではマニュアル車で乗りたいクルマがなかったというのもあるんですよ。
「ペダルが2つしかないから踏み間違いそうで怖い!」という母の意見のもと、ちょっとだけ居住性や快適性のアップしたパルサーセリエを選んだんでしょう。
ただ、走行距離だけ見てネットで買ったものだから、うちに来たときはビックリするような見た目をしていましたけどね(笑)。幼心に、このクルマ…大丈夫なのか……?って思いましたもの。
―――どんな状態だったのですか?
前のオーナーさんが色々いじっていたみたいで、フロントグリルは付いていないのに、やたら豪華なシャンデリアが付いているという、癖のある仕様になっていました(笑)。
だから、すぐにフロントグリルとルームランプを取り付けて、ノーマルの状態に戻したんです。父はクルマいじりが好きだから、それも楽しんでやっていましたけどね。僕はそれを横で見て、出来ることを手伝ってという感じでした。
ちなみに、その後は壊れて壊れて壊れまくって(笑)、道路で何度も立ち往生したことがあるし、3車線の右折レーンでクラッチのワイヤーが切れて止まって、家族みんなで押したなんてこともありました。まぁ、手のかかるやつなんですよ。
―――乗り替えという選択肢はなかったのですか……?
そんな話も出たことはありますが、不思議なことに、故障してもパルサーセリエは不死鳥のごとく復活するんです。
ちょうど2ヶ月前にフロントバンパーが真っ二つに割れるような不慮の事故に遭った時も、ディーラーの方や周りのパルサーオーナーの援助のお陰で何とかなっちゃうんですよ。
もちろん、僕達家族も「ここまで一緒に来たんだから、何とか復活させようよ!」って色々動きましたけどね。あとは、ある意味タイミングも良かったんです。僕が就職して稼ぐようになったから、資金繰りも何とかなったといいますか。
というか今思うと……、僕が就職してから次から次へと壊れては修理してを繰り返し、もはやフルレストアに近い状態になってきたかのような……。
―――世の中必然しかないともいいますし……。そういう運命だったのかもしれないですね
そうですね。僕が独身の間にフルレストアしてもらおう的な!
―――だとしたら、パルサーセリエさん……流石すぎます。先のことを見据えて行動なんて、私も見習います。
あはは(笑)。でも、本当にそう思ってくれているのだとしたら、なおのこと大事に乗っていかなくちゃ。だって、もしかしたら僕の奥さんや子供を乗せて走ることになるかもしれないですから。
つい最近ね、父と燃料ポンプの交換をやってみようかという話になったんです。ガソリンタンクに手を入れて作業するから、なかなか骨の折れる作業だったけど、終わったあとに思わずハイタッチするくらい充実感のある作業で、僕もこんな風にパルサーを受け継いでいけたらなと感じたんです。
免許取り立てで、何度もエンストとロデオスタートを繰り返し、MT車なんて無理だと諦めかけた18歳。少し乗り慣れて、6500回転の可変バルブタイミング、8000回転までの加速域を楽しめるようになった20歳。これからパルサーセリエとどう寄り添っていくのか考えるようになった現在24歳。
きっと、この先も悩みは尽きないでしょうが、1個だけ変わらないことがあって。それは、家族の一員として愛情を注いでいくということなんです。
Wakaさんは、パルサーセリエはクルマではなく、家族だと言います。それは、速さや快適性、居住性ではなく、ホッとする空間など数値では測れない“何か”を与えてくれるからとのこと。おそらく、何世代にも渡ってパルサーセリエは乗り継がれていくことでしょう。
【Instagram】
Wakaさん
(文:矢田部明子)
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